鴨志田からネット番組「エンジェルひばりのヒゲテレビ」を毎月配信する エンジェルひばりさん 麻生区在住 57歳
毒舌、笑いに秘めた優しさ
○…「あなた、そんな厚化粧でよく外に出れたわね」。毒舌が冴えわたるのに嫌みがなく、店内が笑いに包まれるのは話芸のなせる業か。鴨志田の「中古レコードのタチバナ」の常連だったことが縁で、昨年から始めたネット配信番組「エンジェルひばりのヒゲテレビ」。放送を重ねるごとに評判を呼び、9月11日は清水アキラさんをゲストに迎える。「ものまね界の頂点にいる人で、とても来てもらえるような人じゃない。シャレで出演をお願いしたら快く引き受けてくれて、最初は『暑さで頭がおかしくなったんじゃないか』と思ったくらい」とは本人なりの最大級の感謝の言葉だ。
○…美空ひばりのそっくりものまねとして活動して26年。歌謡曲好きの父親の影響で15歳の時に演歌歌手として芸能界入り。しかし、幼少期の交通事故の後遺症で30歳を過ぎた頃に右耳が全く聞こえなくなり、歌手を断念。それでも大好きな歌を諦めきれず、当時経営していたパブで評判だったものまねで生きていこうと決めた。当初はその外見が注目を集め、テレビ取材が殺到した。「最初は『美空つばめ』っていう芸名だったの。でも、ひばりさんの後援会から『美空』はひばりさんだけのものって言われて。今は後援会にも応援、いや、黙認してもらっているかな」と笑う。「職業・美空ひばり」を自認し、大好きな人を真似るからには妥協はしない。お笑い要素は入れつつも、ほぼ全曲を原曲のキーで歌い、不死鳥ドレスなども忠実に再現。「こんな私の歌でも泣いてくれる人がいる。観てくれる人がほんの一瞬でもひばりさんを感じてもらえたら」
○…取材の翌日、「バケモノひばりでございます」という書き出しで始まる達筆で丁寧な礼状が届いた。人柄が伝わる温かい礼状だった。
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