中里北部連合町内会の会長に就任した 奥田 妙子さん 鴨志田町在住 66歳
つなぐ ふるさとの絆
○…古くは明治12年。寺家村、鴨志田村、成合村(たちばな台)は、当時から「連合」として行政を行ってきた歴史があり、それだけに昔から地域の結びつきは強い、という。「先人たちの思い、絆を、つなげていかなければ」。2012年から副会長を務め、今回会長に着任。8つの自治会・町内会を束ねる決意を、強い言葉ににじませた。
○…製鉄の町として栄えた福岡県の小倉生まれ、戸畑(とばた)育ち。隣近所に友達も多く、木に登ったり雪合戦したりと活発な少女時代を過ごした。年に一度の楽しみは、まちを挙げての一大行事「戸畑祇園大山笠」。お囃子が響き、提灯を積んだ山笠の競演に魅せられた。「本当に人がすごくてね。まちの皆の楽しみだった」。新日本製鐵(株)(当時)に役員秘書として勤めたのは、折りしも製鉄の全盛の頃。「技術職の夜勤明けの人も多くて、飲み屋さんもにぎやかだった」と活気のあった故郷を懐かしむ。
○…夫の転勤で鴨志田町に来て32年。「ここの皆さんは本当に親切で心地よい関係」と目を細める。右も左もわからなかった当時、住民たちが手を差し伸べてくれた。「決まらないと帰れなかったから」と娘の小学校のPTA会長を引き受けたことをきっかけに、地域活動に関わり20年。地区社協の手伝いや町内会長も務め、今や顔なじみばかり。愛犬の散歩で外を歩けば、行きあう人とのおしゃべりで「なかなか前に進まないの」とにっこり笑う。
○…夏祭りや運動会、マラソン大会など先人たちが築いてきた地域交流の場を守りたい、と力を込める。「ふるさとのお祭りや行事は思い出になるから」としみじみ。地域のお年寄りが寂しい思いをしないように、若い保護者たちとのつながりも持てるように――。そんな思いを胸に、まちの未来のために走り出す。
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