港北区版 掲載号:2013年11月28日号

今年度、横浜市獣医師会の会長を務める

井上 亮一さん

旭区在住 60歳

動物を守り、人も守る

 ○…400人を超す獣医師が所属する横浜市獣医師会は、4月から公益社団法人として新たなスタートを切った。「国家資格を持つ職域集団として、より一層の社会貢献をしたい」。これまでも、常務理事を17年間務めるなど組織力向上を目指してきた。歴代会長の実績継承を筆頭に掲げつつ、「市民フォーラムや意見広告を通じて動物愛護・福祉の普及啓発を市民に発信していきたい」と意気込む。

 ○…病気の動物の診療だけでなく、狂犬病など感染症の危機管理や食品衛生も獣医師の重要な責務。「動物の命だけでなく、人の命を守る仕事であることも知ってほしい」と話す。会長就任時の所信表明では災害時のペット同行避難訓練の推進を強調した。避難所にペットを同行させることに抵抗感を持つ人もいる。だが、避難所には多くのペットが来ることが想定される。動物との共存という視点からも、災害時のペット対策は喫緊の課題だ。

 ○…生まれ育った家には、常に猫がいた。小学校の卒業文集の題材も飼っていた猫をテーマに。獣医師への道を志す決定打となったのは、中学1年生の時に起きた愛猫の交通事故死。「自分の手で動物の命を救いたい」―。真っ直ぐな理由で脇目もふらずにその道を突き進み、日本大学獣医学部を卒業。25歳で地元の旭区に「井上動物病院」を開業した。35年が経ち、病院は今や3世代で通う人がいるなど地域に密着した動物病院になった。

 ○…心筋梗塞を昨年患ってからは、体調に配慮して、朝5時からのウォーキングが日課に。その延長線上で山登りも始めた。先日も穂高岳に登ったばかりで、次の目標は槍ヶ岳だ。今後は、自分と同じ道を選んだ長男の快さんに病院を継がせることを考えている。「獣医師になることなんて一度も相談されなかった」と関心の薄い素振りをするが、父親の背中を追ったことは「口には出さないけど、内心うれしいよね」。本音がもれた。

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