日本で洋服が誕生してから、昨年11月で150年となった。そんな節目に合わせ、その知られざる歴史をまとめた著書『洋装の日本史』を上梓したのが、大倉精神文化研究所の客員研究員・刑部芳則さんだ。ここ横浜も大きく関係するという洋服の誕生について、刑部さんに話を聞いた。
発祥の地は横浜
元町・中華街駅すぐに一つの石碑がある。「日本洋裁発祥顕彰碑」と刻まれているのは、同地に日本初とも言われる洋裁業の店が設けられたからだ。「当時の洋服は、日本にいる外国人のためのもの。居留地で外国人が多く、貿易の玄関口でもあった横浜に洋装店が次々と建てられました。有名な岩倉使節団の写真で着ている洋服も、横浜の店で仕立てられたもの。洋装黎明期の中心は横浜です」と刑部さんは話す。
その後、制服の導入など、学生世代を中心に「洋服を着る文化」が広まっていき、戦後の洋装文化の礎となったという。実は、以前までは服飾業界でも、日本人が洋服を着るまでの歴史は、正確には明らかにされていなかった。刑部さんは、「これまでは、関東大震災の教訓で洋服が広まったという誤説もあった。文化は突然変わるのではなく、長い時間を経て徐々に浸透するもの。明治〜昭和の激動の時代で、どのように洋服が根付いていったのかを知ってもらいたい」と、著書に込めた思いを語る。
『洋装の日本史』は、集英社より、定価990円+税で発売中。
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