樹木医として、4月14日に県立青少年センターで行われる講演会に登壇する 池本 三郎さん 箕輪町在住 85歳
樹木一筋、85年
○…手がけた樹木は数知れず。市内外のあちらこちらに出向いてきた。「あの頃、横浜市に樹木医は僕1人だったからね」。4月14日(日)に開かれる講演会では、携わってきた事例を通して「樹木医」という仕事を語る。会場は神奈川県立青少年センター。約20年前に救ったクスノキが生き生きと枝葉を広げる、思い出深い場所だ。
○…市の職員として、樹木医として、数多くの公園の設計・整備に携わり、樹木を”治療”してきた。学校緑化には、「教育に繋がる樹木を植えたい」と教員と一体になって取り組んだ。日米友好を象徴するワシントンの桜の立役者、横浜外国人墓地に眠るシドモア女史を伝え継ぐシドモアザクラの接ぎ木は、今や横浜を飛び出し各所に植えられている。「ゼロから始めたことが、こんなに広がった。良かったなあ」としみじみと語る。
○…1939年に日吉に生まれ、戦前から現代まで、日吉のまちの80余年をその目で見てきた。「『切ったら植える』が祖父の教え。子どもの頃は山と密接に関わる生活だった」と、伐採と植樹が循環する里山時代に思いをはせる。戦後、明治大学農学部で造園学者の丹羽鼎三に師事し、造園のとりこになった。本棚には当時使っていた書籍がずらりと並んでいる。
○…市役所初の樹木医として、多くのことがゼロからのスタート。公園をつくるにも、樹木を救うにも、情報収集にかけ回った。「やっぱり、人の繋がりは大事だね。いろいろな人が協力してくれる」。今でも、「並木の育ちがいい」「あの花が咲かない」と情報交換。寝ても覚めても、考えるのは樹木のことだ。「樹木とは切っても切れない人生だね」と笑う。最前線でつくってきた緑ある横浜の景色と、樹木への思いを胸に壇上に立つ。
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