港北署 乗り物盗・痴漢へ対策 重点犯罪の防止強化
港北警察署は今年、「乗り物盗」、「女性に対する粗暴事案」(痴漢等)防止をテーマに掲げ、取り締まりを強化する。神奈川県警が各署特有の重点犯罪にスポットを当て対策を講じていくことを求めたことによる。
県警が始めたこの「地域の犯罪情勢に即した効果的な犯罪抑止対策」は、各署が地域別の犯罪抑制につながる1年間のテーマを決め、3カ月毎に検証と見直しを繰り返す。犯罪情勢によってはテーマを変えながら、重点犯罪の防止強化を図っていくというもの。
港北署は、自転車を中心とした乗り物盗難と痴漢などの女性への犯罪防止対策を実施していく方針だ。
港北区の自転車盗難発生件数は、暫定値で11年は848件、12年は698件と減少傾向にあるが(2012年12月末現在)、区内刑法犯認知件数で約3割を占めることから、重点犯罪と位置づけている。区内で自転車盗難被害が多いのが、綱島・日吉各駅周辺。「乗り捨て」目的で盗むケースが多いのが特徴だ。同署は該当駅に駐輪している自転車に防犯を訴えるチラシやシールを張ることでの犯罪抑制や、地域住民と一体となって防犯を呼びかけるイベント実施などを検討しているという。
また、過去2年で被害件数が77件から101件に増加した痴漢行為も重点テーマとする。「午後6時から午前1時までの帰宅時の犯行が多い」ことや「10、20歳代が7割」、「イヤホン利用時の犯行が増えている」ことなどの傾向を分析し、警察官による女性への声かけやパトロールの強化を図っていく。
港北防犯指導委員会の高橋光也さんは「会として、警察の防犯活動に協力していきたい。自転車の盗難に対しては、見回りを強化して犯罪を未然に防ぎたい」と話している。
相乗効果を期待
この取組みへの要望が挙がっている。新横浜町内会の金子清隆会長は「自転車盗難防止と共に、『自転車は車道を走る』といった走行ルールの徹底をお願いしたい」と今回の取り組みとの相乗効果を期待する。
綱島駅を通勤に活用する女性は「綱島駅周辺は薄暗いところも多い。もっと街灯を増やしてもらえれば安心」と訴える。
港北署は「犯罪抑止のために区の広報紙や犯罪情報メールなども活用していきたい。広報を強化することで、住民の犯罪体感の減少にもつながれば」と語る。
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