地域の歴史をまとめた「柏尾の100年史」の編さん委員会(齋藤純一委員長)は、編さん作業の過程で地域住民らから寄贈されるなどした戦時中の資料百数十点等を教育に生かしてもらおうと、市立柏尾小学校での展示に協力する。時期は未定。数百点以上に及ぶ戦時中以外の資料も展示される。
「人と人が殺し合う愚を犯してはいけない。先生方だって二度と子どもたちを戦場に送りたくないはず」。静かな口調でそう力を込めるのは齋藤委員長。
柏尾小に戦時中等の資料を展示することになったきっかけは、地域誌「柏尾の100年史」の編さん過程で、戦時資料を含む柏尾町・上柏尾町の歴史を示すさまざまな資料が集まったこと。今年5月に発刊した同誌第2期版の編さんにあたって、「戦争体験を児童に伝えたい」との学校の要望もあり、戦争体験談を盛り込んだことも今回の展示につながった。
目的は、児童の教育や悲惨な戦争の実態を地域に伝えること。展示予定の資料は、戦時中の写真のほか、多くの女性らが糸を縫い付けた一枚の布をお守りとする千人針、戦地からの帰還を祝う幟や日章旗、従軍手帳、携帯用国旗、当時の新聞記事の切り抜きなど。
来春ころを予定
展示場所は、今年11月に整備が始まる同校の郷土資料室。展示時期は未定だが、編さん委は来春を見込んでおり、学校側も年度内を目標にしている。
同校に展示されるのは、戦時資料のほか、やはり編さん過程で集まった古い写真や農機具、教科書、遊び道具など。齋藤委員長によると総数は7〜800点に及ぶという。
編さん委では今後も町内会の回覧等を利用して、資料の収集を進める予定。
地域の目に触れる機会も
柏尾小学校の栗原繁昌校長は「戦争の実体験を語れる人は年々減っていく。地元の人たちが生で感じた戦争の悲惨さ、今の平和の尊さを児童に伝える資料として活用できれば」と期待を寄せ、「地域にも見てもらえる機会もつくりたい」と話す。
齋藤委員長は「(資料は)地域の歴史を示し、風化させないためのもの。こういった取組みが柏尾だけでなく、他地域にも広がっていけば」と話している。
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