県内でも希少な定時制高校の柔道部がある市立戸塚高校。現在部員はわずか1人だが、世界大会優勝経験を持つ外部指導者を招き、日々練習に励む。私立強豪校に競技者が集中するなか、「柔道の魅力を広め、定時制でも楽しめる環境が広がれば」と口をそろえる。
戸塚高校は4年制の定時制。唯一の柔道部員で4年生の長崎凌和さん(上矢部町在住)は兄の影響で小2から柔道を始めた。岡津中柔道部部長を経て同校に入学し、当初は先輩の部員と2人で活動してきたという。
3年生からは長崎さん1人になるも、外部から元教員で柔道元日本代表選手として世界大会の優勝経験をもつ伊左次雄介さん(31)を監督として招いた。伊左次さんは海老名市で自身の柔道教室「伊左次道場」を経営していることから、本格的な指導環境を整えたという。現在長崎さんは週に3日ほど、夕方の授業後に同校柔道場で打ち込み稽古や移動打ち込み稽古、実践練習などで汗を流している。
今年5月にはコロナ禍で久しぶりの定時制・通信制大会が開催。長崎さんは黒帯の部で県3位入賞と奮闘し、「強豪相手にいい勝負ができた」と満足げに語る。一方で「大会参加者が少なく残念」という悔しさも。伊左次さんは「年々柔道人口が減り、私立強豪校だけに競技者が集中している」と指摘し、「戸塚高校のように公立校でも柔道が楽しめるような環境が広がってくれれば」。長崎さんは「試合で一本を取る面白さもあるが、礼儀が身につくのが柔道の魅力。それを知ってほしい」と願いを込めた。
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