この春から戸塚図書館の館長に就任した 永木 宏一郎さん 中区在住 60歳
紙にしかない魅力発信
○…この春から戸塚図書館の館長に。これまでは市職員として、財政や税務、都市政策に関わる機会が多く「市民と距離の近い場所で働くのは、区役所以来久しぶり」と頬を緩める。「小さな子どもが言葉や本に触れられる場所になるように」との思いで、長年開催されてきた読み聞かせイベントの継続と発展に意欲を見せる。
○…市内18館のうち、4番目の設立、蔵書数約19万の戸塚図書館には、郷土資料や歴史書などが豊富に並ぶ。「図書の貸出はもちろん、区の歴史に関する蔵書の収集と保存。これも大切な図書館の役割」と背筋を伸ばす。館長就任後、図書館の日常や利用者の姿を間近で見守る中、4年後の開館50周年を意識し始め「ちょうど区制90年でもある。今ある建物、蔵書を大切に、誰からも愛される図書館を目指していきます」
○…中区で育つ。1989年の横浜博覧会に向け、開発が進むみなとみらいを見て「未来が明るかった。地元のために働きたい思いもあって」市職員に。印象に残るのは、企画局で計画策定などに携わった「G30プラン」。ごみ排出量減少のため、プラスチック分別などが導入された時期で「行政の働きかけで、市民の生活の一部が本当に変わった瞬間」を目撃し達成感を覚えた。直前までは道路局。不動坂交差点歩道橋の開通を館長就任より少し前に知り「戸塚も大きく変わるのでは」と期待を寄せた。
○…趣味は旅行。時間があれば「国内外どこへでも」足を運ぶという。「次はエジプトや南米をゆっくりしたい」と夢を膨らませる。読書は小説が中心。書店派だったが、就任後図書館を利用する機会も増えた。「電子書籍が拡大する中、紙にしかない魅力を図書館から発信できれば」
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