美容医療関連で新事業を開始した（株）ポーラメディカルの代表取締役社長を務める 末延 則子さん 柏尾町在勤 57歳
花開く未来を信じて
○…柏尾町に昨年、設立された（株）ポーラメディカルの代表を務める。化粧品メーカーのポーラ・オルビスグループの研究開発と生産を担うポーラ化成工業（株）に研究者として入社し30年余り、柏尾町にある同社国内唯一の研究所で医薬品、化粧品開発を担ってきた。新会社では「人々がより良く生きる『ウェルビーイング』の観点から、これまで培ってきた研究力を医療領域で生かし、ここ戸塚から世界に新しいものを発信したい」と語る。
○…１月発売した製品はシワ改善、美白をうたう２つの医薬部外品。皮膚科など美容医療クリニック専売品として展開する。シワ改善の有効成分は、化粧品開発に移った２００２年から15年もの歳月をかけたどり着いた。これは日本で初めて厚生労働省の承認を受けた薬用化粧品となり、一大マーケットを創出するほどの大ヒット。生みの親として日経ウーマン「ウーマンオブザイヤー２０１８」大賞を受賞した。「お客様から表情が明るくなって出かけるのが楽しくなったというご意見をいただいた。化粧品はただ肌をきれいにするだけではなくて、気持ちを前向きに人生に彩りを与えてくれるもの」
○…神戸市生まれ。大学生の娘は独立し、夫と二人で暮らす。就職後、13年住んだ戸塚は「第二の故郷」。研究所前のそば店「やぶ忠」は「入社の頃からお世話になっている」と顔をほころばせる。町内の敬老会に場を提供し、準備を手伝ったり、交流も盛んだった。
○…「どこかのタイミングで花が開くから」。研究所に植樹した、開花時期が異なる３本の桜になぞらえ後進に伝える。「一人で解決できないことも仲間を信じ考え抜くことで明るい未来が開ける。研究成果を出し、皆さんの心が軽くなるような製品を生み出せたら」
