今春から保土ケ谷消防署長に就任した 阿部 次夫さん 瀬谷区在住 58歳
防災担う「地域力」の先頭に
○…青葉消防署長を2年半務めた後、4月1日から保土ケ谷消防署長に。「歴史も古く、成熟した街という印象を受けましたね」と地域の印象を話す。高齢者の多い管内の特徴に関しては「認知症の方の火災対策など、区と連携して進めていきたい」と意欲を見せる。
○…3月7日の消防記念日生まれ。「それは偶然だけど、人のためになるという点では一番分かりやすい仕事だったから」と、消防士の道を選び、これまで多くの災害現場で経験を積んできた。中でも印象に残っているのは阪神大震災の被災地に派遣された時のこと。「大都市が壊れるとは、こういうことかと実感させられました」。倒壊した家屋の下から遺体を探し出した時、遺族が泣きながらも「陽の当たるところに出してくれてありがとう」と感謝してくれた。「本当は生きて助けてあげたかった―」。その苦悩は昨年、多くの部下を派遣した東日本大震災での救助活動においても感じたことだ。「地震対策には力を入れていきたい」と語る言葉には、辛い現場を目の当たりにしてきたからこその、強い決意がこめられている。
○…妻と2人の子どもの4人家族。この春から長女が地方で1人暮らしを始めたとのことで「ちゃんとやっていけるのか、心配でしょうがない」と父親の表情をのぞかせる。就任のあいさつでは署員らにチームワークの重要性を説いた。「家族よりも長い時間を一緒に過ごし、命を預け合う仲間だから、お互いに思いやりを大切にしたいですね」と、優しい笑顔をみせてくれた。
○…防災においては住民の備えや災害行動も大切になる。「(災害が)いつか起こるかも、ではなく、24時間以内に起きたらどうするか、と考えて備えをしてほしい」と呼びかける。消防団や家庭防災員の育成にも精力的で「防災には地域力が欠かせない」とキッパリ。災害による悲しみを少しでも減らすため、今日も先頭に立ち、地域を守っている。
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