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横浜国大 悠久の音色よみがえる 100年前のピアノを修理

文化

掲載号:2019年2月7日号

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フレームを釣り上げて割れがないか木槌で叩き異常音を確認する作業(写真上)、修理が完了し常盤台に戻ったピアノ(同右)
フレームを釣り上げて割れがないか木槌で叩き異常音を確認する作業(写真上)、修理が完了し常盤台に戻ったピアノ(同右)

 横浜国立大学(長谷部勇一学長)が大正期から所有しているドイツ製のグランドピアノの音色が復活した。インターネット上で出資者を集う仕組み、クラウドファンディング(CF)で修理に必要な費用を集め、専門業者に修理を依頼。大掛かりな修理となったため、音が落ち着く5月ごろにCF支援者に対する返礼となる演奏会を開催する予定だという。

 ピアノは同大学の前身となる横浜工業学校が開校して間もない1924年に当時の鈴木達治校長が学生の課外活動用にと7千円で購入したもので、進駐軍による接収や火災による焼失危機を乗り越えながら約1世紀にわたり引き継がれてきた。

 数奇の運命をたどりながらも常盤台のキャンパスに悠久の音色を奏でつづけてきた名器は、98年に大がかりな修理・調律を行い、その後は大学内にある教育文化ホールに記念保存・展示すると共に音色を鑑賞する機会が設けられてきた。

ネット通じ出資者募る

 修理から20年の時が経ち、本来このピアノが持つ音色を奏でることが難しくなってきたことから大学は専門業者に調査を依頼。すると全ての部品を解体し、主要部品の交換や補修などを行う必要があることが判明した。

 その費用は130万円。多額の修理費を捻出できずたどり着いたのがプロジェクトへの賛同者から寄付金をネット上で募るCFだった。

177人が賛同

 プロジェクト開始から1カ月ほどで目標額としていた130万円を突破。最終的には取り組みに賛同した177人から237万円の寄付が集まった。

 修理依頼を受けた専門業者はピアノを解体しフレームの割れや亀裂などを調査。その結果、弦の振動を響板に伝える部品が劣化していたほか、響鳴板などに無数の割れや亀裂が見つかり音の伝達の妨げや雑音の原因になっていることが判明した。

 これらの経年劣化箇所に職人が手を施し、購入当時、東京音楽学校(現・東京芸術大学)と首相官邸にしかなかった名器から悠久の音色が再び奏でられるようになった。

5月に演奏会

 CFでは賛同者に寄付額に応じて返礼することになっている。今回のプロジェクトでは「修復したピアノを見て、触って、聴くことができる権利」や「ピアノを演奏できる権利」といった返礼を設定していた。すでに支援者の一部は復活したピアノを弾き、名器の音色を楽しんでいる。

 修理を終えたピアノは音が落ち着くまである程度の期間を要することから、5月ごろを目途に賛同者を対象にしたお披露目、演奏会を開く予定となっている。
 

田近淳 司法書士事務所

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