受動喫煙対策強化が目的の改正健康増進法の一部が7月1日に施行され、学校や病院、公共施設などの敷地内が原則禁煙になる。これを受け、市は約1万4千カ所の対象施設への啓発や状況確認を行う。一方、受動喫煙被害防止を訴える市内の団体には、煙がない場所でも臭いで体調に変調をきたす「サードハンドスモーク(三次喫煙)」の被害相談が増えている。
全国に先駆け、神奈川県は2010年に公共施設を禁煙とする条例を制定している。法改正で「第一種施設」と呼ばれる学校、病院などの敷地内は原則禁煙になる。事業所や工場、飲食店などの「第二種施設」は20年4月から原則屋内禁煙。喫煙が主目的のスナックなどは、喫煙可能な場所である旨の掲示などの条件付きで喫煙できる。
受動喫煙防止対策を管轄する市健康福祉局によると、市内には第一種施設が約1万4200カ所ある。同局は周知に加え、時期は未定としながらも「対象施設が法律に対応しているかどうかを調査する」としている。
「三次被害」訴える声も
公共空間の禁煙化が進む一方、法や条例では規制されていない路上や集合住宅の受動喫煙被害を訴える声が広がっている。
受動喫煙の被害者支援などを行う公益社団法人受動喫煙撲滅機構=事務局・中区=は「最近、マンション隣室のベランダから流れてくるたばこの煙の被害を訴える声が増えている」という。ほかにも、煙がなくても、たばこ臭のする人が周囲に来たり、臭いが染み付いた部屋に入るだけで血圧が上がったり、体に変調をきたす「サードハンドスモーク」に関する相談が目立つようになった。同機構は「マンションは管理会社に住環境を守る義務がある」として、相談者に管理会社との交渉法を助言しているという。
市側は法規制外の場所での喫煙は「喫煙者と非喫煙者がお互いのことを考えてほしい」とマナーやモラルに訴えるしかないとしている。
同機構は「受動喫煙の深刻な被害を防ぐよう、国や自治体は対策を講じてほしい」と求めている。
保土ケ谷区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>