横浜国立大学の学生らが参加する南米・パラグアイ共和国の農村部の人々や子どもたちを支援しているグループが、インターネットを通じて出資者を集う仕組み「クラウドファンディング」(CF)を立ち上げ、新型コロナウイルスの影響で職を失った人たちへの緊急的な食糧支援活動を展開するための資金を調達する取り組みを展開している。
支援活動を展開するのは同大大学院教授の藤掛洋子氏が代表理事を務め、1995年から同国内で農村部や都市スラムなどで子どもや女性への支援活動を進めているNPO法人「ミタイ・ミタクニャイ子ども基金」。同団体は社会的に弱い立場にある人の側に立ち、現地の人々と共に学校建設や教育支援、伝統工芸品のフェアトレード事業、都市部スラムでの生活改善事業といった支援を継続的に進めている。
芋だけで暮らす人も
世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症はパラグアイ国内でも流行。同国政府は感染拡大を防ぐため外出禁止令を発令した。
農村の女性たちは町へ働きに出ることもできず、人々の外出が減ったことにより、農作物や加工食品を販売することができない状況に。日雇い労働需要もなくなり、農村に暮らす多くの人々が収入を失っているという。
政府の対応が早かったため、国内感染者数は他の南米諸国に比べ低水準で抑えられ、移動制限が徐々に緩和されてきてはいるものの、感染のリスクを恐れ人々の動きはいまなお鈍化。収入を得ることができない農村地域の人々はキャッサバという芋のみを食べ生活を続けるなど、栄養バランスが著しく崩れた状態がつづき、免疫力も低下しているという。
長期的なサポートが必要「自己資金だけでは難しい」
中には子どもたちに満足に食事を与えることができない家庭もある。こういった状況を受け、現地スタッフらが5月に炊き出しを行い5日間で123世帯・518人に食事を提供。
その後も炊き出し活動を続けているが、今回のコロナ禍では長い支援が必要であることが予想され、自己資金だけでは難しくなることから、クラウドファンディングを立ち上げた。
目標額は60万円
支援目標額は60万円。3、4地域での支援を想定している。支援金は食材費や現地スタッフの移動費、人件費、報告など国内業務に充てられる。
6月15日から受付を開始し、7月4日時点で33人の支援者から12万8千円の寄付が寄せられている。学生時代に現地スタッフとしてパラグアイ国内の農村部で過ごした基金事務局の鈴木泰輔さん(24)は「少しずつではあるが農村部の暮らしが改善されつつある中でコロナウイルスが発生したことで、これまで積み上げてきたものが崩れてしまう可能性がある。1人でも多くの皆様に御賛同いただければありがたい」と話している。寄付は8月31日まで受け付けている。
■寄付の方法
同基金では基本的にはクレジットカード決済による支援を呼び掛けている。CFサイト(下記QQRコードから表示可能)内に「寄付をする」というボタンがあり、ここをクリックし、寄付金額を選択または入力。必要事項を打ち込むと寄付が完了する。
クレジットカードでの寄付が難しい場合には、以下の口座に振り込むことも可能〔ゆうちょ銀行〕特定非営利活動法人ミタイ・ミタクニャイ子ども基金▽ゆうちょ銀行からの振り込み 記号:10200 番号:7758691▽他金融機関からの振り込み 店番:028 普通口座:07758
※口座振込で支援する場合は左記アドレスからメールを送信【メール】mitai.jk@gmail.com
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