鎌倉のとっておき〈第5回〉 見てびっくり極楽寺絵図
極楽寺は、1259年に忍性を開山として創建された真言律宗の古刹です。茅葺の山門をくぐると桜並木の参道がまっすぐに続き、その先に本堂、転法輪殿などがあります。
往時の極楽寺の様子を伝える絵図があります。庶民の地位が低かった時代、忍性は境内に、病者を収容して治療を施す療病院、貧者に施しを与える福田院など多くの施設を設け、精力的に救済活動を行いました。絵図にはこれらの建物が描かれており忍性の偉大な足跡を実感できます。
さらに、池も描かれており、それが七里ガ浜の田辺が池であるとされる方もいらっしゃいます。現在の極楽寺山門から田辺が池までは直線距離で1・6km。なんとも広大なスケールです。まるで、この地に極楽寺特別区が存在したかのようです。真言律宗は、極楽寺のほか六浦に称名寺を開き、和賀江嶋の管理を行うなど、極めて大きな力を持っていたことがうかがい知れます。
絵図はパソコンで検索できますが、少し見難いものです。4月の本尊開扉の折には、古伽藍図の写真も展示されます。むしろこちらの方がわかり易いかもしれません。
今年の本尊開扉の時、本堂前のサルスベリにコゲラが営巣している姿を見つけました。ひなが無事に巣立っていたら良いのですが。(石井卓郎)
|
|
|
|
|
|