鎌倉版 掲載号:2018年3月2日号 エリアトップへ

鎌倉のとっておき〈第36回〉 「鎌倉めぐり」と徳川将軍

掲載号:2018年3月2日号

  • LINE
  • hatena
徳川家にゆかりある英勝寺の山門
徳川家にゆかりある英勝寺の山門

 年間を通して観光客で賑わう人気の鎌倉。姉妹都市には優れた歴史的遺産を持つ萩市、上田市、足利市、海外ではフランスの保養都市ニース市が名を連ねる。

 しかし、鎌倉はもともと旅の目的地(観光地)だったわけではない。

 歴史をたどれば、古くは飛鳥時代、「大化の改新」の中心人物、藤原鎌足が鹿島神宮に参拝する途中で立ち寄ったとの伝説がある。

 また中世鎌倉では、女流歌人阿仏尼も『十六夜日記』に鎌倉訪問を記しているが、これも息子の相続争いを幕府に直訴するためで、今でいう観光目的ではなかった。

 しかも鎌倉は、室町時代中期以降は衰退に向かい、戦国大名の先駆け北条早雲も「枯るる樹にまた花の木を植ゑそへてもとの都になしてこそみめ」と復興への志を詠んだほどだ。

 鎌倉が観光地として脚光を浴びるのは、江戸時代、徳川家康(征夷大将軍)が源頼朝に傾倒し、源氏の末裔と名乗ったことで、鎌倉が徳川家の先祖の地、いわば「武家の聖地」となり、源氏の守護神、鶴岡八幡宮が篤く信仰されたことが大きい。

 以降、かの徳川光圀が、上総から舟で金澤八景(称名寺等)を経て、英勝寺を宿に鎌倉各地を巡ったことなどから、「鎌倉めぐり」が一躍有名になり、武士の憧れとなっていった。

 一方、江戸時代中期以降、鎌倉は庶民にとっても、金澤八景や江の島とともに、杉本観音や長谷観音を巡る寺社詣でや、名所旧跡を訪ねる物見遊山の旅先として人気を博していった。

石塚裕之
 

鎌倉版のコラム最新6

鳩が舞い降りる街

鎌倉のとっておき 〈第100回〉

鳩が舞い降りる街

11月20日号

源氏の御曹司(おんぞうし)に仕えて

鎌倉のとっておき 〈第99回〉

源氏の御曹司(おんぞうし)に仕えて

10月30日号

日本の製紙産業への功績跡

鎌倉のとっておき 〈第98回〉

日本の製紙産業への功績跡

10月23日号

鎌倉の民謡あれこれ

鎌倉のとっておき 〈第97回〉

鎌倉の民謡あれこれ

10月16日号

鎌倉と御家人〜相馬氏〜

鎌倉のとっておき 〈第96回〉

鎌倉と御家人〜相馬氏〜

10月9日号

江ノ電の車窓から

鎌倉のとっておき 〈第95回〉

江ノ電の車窓から

9月18日号

あっとほーむデスク

  • 11月20日0:00更新

  • 11月13日0:00更新

  • 11月6日0:00更新

鎌倉版のあっとほーむデスク一覧へ

最近よく読まれている記事

コラム一覧へ

鎌倉版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2020年11月20日号

お問い合わせ

外部リンク