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鎌倉のとっておき 〈第104回〉 尼将軍、北条政子とは?

掲載号:2021年3月12日号

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政子の法名でもある「安養院」
政子の法名でもある「安養院」

 源頼朝の妻、北条政子は、伊豆に配流された頼朝のお目付け役だった小豪族、北条時政の娘だが、夫が征夷大将軍になったため、今でいう「ファーストレディ」へと躍進した。

 政子については、中世の軍記物語『曽我物語』の中にこんな話が残っている。ある日、政子の妹は日月を掌(て)に掴(つか)む夢を見たと政子に話したところ、政子は「その夢は禍(わざわい)をもたらす恐ろしい夢だから私に売りなさい」と告げ、妹が欲しがっていた鏡を与え、その夢を買ったのだという。

 当時、夢は神様からのメッセージだと信じられていたが、政子は妹が夢に見た太陽や月は、栄誉や幸運の象徴であり吉夢だと知っていたらしい。この夢を買ったお陰で、政子は頼朝と結ばれたのだという。

 また、幕府の歴史書『吾妻鏡』には、政子の「後妻(うはなり)打ち」の話も残っている。頼朝は、長く寵愛していた愛妾亀の前を家来の伏見広綱の家に住まわせていた。そんな中、政子は、自分が頼家を身ごもり養生していた時期、夫が亀の前の所へ足繁く通っていたことを聞きつけ、激しく憤(いきどお)り、広綱の家を打ち壊したというのだ。

 「後妻打ち」とは、夫と親密な関係になった女性宅へ行き、家財等を打ち壊すなど乱暴な振舞いを行うことだが、これは政子に限らず、古(いにしえ)からの風習であったとも聞く。

 玉の輿に乗った政子だが、尼将軍として幕府を支えた強(したた)かな女性リーダーでもあったのである。 石塚裕之

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