鎌倉のとっておき 〈第163回〉 かまくら花めぐり(円覚寺:春から)
円覚寺は、1282年8代執権・北条時宗が、蒙古襲来(元寇)による殉死者を敵味方の区別なく、その菩提を弔うために建立した。今も多くの塔頭(たっちゅう)(支院)があり、正続院(しょうぞくいん)の舎利殿や鐘楼の梵鐘(洪鐘(おおがね))は国宝に指定されている。
ここに咲く花といえば、早春には水仙や蝋梅。居士林(こじりん)や黄梅院(おうばいいん)などで甘い香りを放つ。そして梅。白い臥龍梅(がりゅうばい)(仏日庵(ぶつにちあん))や紅梅(龍隠庵(りゅういんあん))など、寺域の其処此処で紅白の花々がほころぶ。季節が進むと、黄色い三椏(みつまた)(黄梅院)や、中国の作家・魯迅(ろじん)が寄贈した白木蓮(はくもくれん)(仏日庵)が一斉に花開く。
陽春の頃は桜。総門をはじめ山門や仏殿周辺の染井吉野が、量感も豊かで見事なまでの桜花を見せてくれる。また大佛次郎(おさらぎじろう)の夫人が寄贈した枝垂れ桜(仏日庵)も、薄桃色の花を付ける。雲頂庵(うんちょうあん)でも、枝ぶりのよい枝垂れ桜が沢山の花を咲かせてくれる。かたや高台の弁天堂からは、白い山桜や大島桜と新緑とで、パステルカラーに染まる山なみが望める。
初夏の頃は躑躅(つつじ)。松嶺院(しょうれいいん)はじめ多くの塔頭周辺で、赤や紫など色とりどりの花を咲かせる。大方丈(だいほうじょう)や白鹿洞(びゃくろくどう)前で、山吹が黄色い花を付けると、仏殿傍などの石楠花(しゃくなげ)も、白や薄紅色の可憐な花を咲かせてくれる。また黄梅院などでは、大手毬(おおでまり)が枝もたわわに真っ白な球状の花々を付ける。この時期、帰源院(きげんいん)では白や黄色の牡丹(ぼたん)が、また仏日庵ではピンクや白の芍薬(しゃくやく)が大輪の花を咲かせてくれる。 石塚裕之
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