神奈川新聞主催の「文芸コンクール 現代詩部門」で最優秀賞を受賞した 谷口 鳥子さん(本名 谷口 美穂) 新横浜在住 45歳
浮遊感から生まれる言葉
○…新横浜駅近くの高層マンションの10数階。街の喧噪が届かない静寂に包まれた自宅窓から見えるのはホテルとビル、切り取ったような青空。この部屋で言葉は生み落とされていった。「カエル」と名がつけられた詩は、自らをカエルに模し、その目で見えたものや過去の記憶をさらっている。飛躍するイマジネーションは、どこか別の世界に移行したい思いを秘めているかのようだ。「夫と二人暮らしで一人の時間が多い。社会との接点が詩の中の『インターホン』『ベランダ』なんです。そこから見える風景を詩にしていきました」
○…5年前、東京から新横浜に移住。詩人・正津勉さんが講師を務める関東学院大学でのオープンカレッジに参加したのが、詩との出会い。「これまでちゃんと本を読んだことがなかったので、詩でも勉強してみようと思って」。当初は軽い気持ちだったが、次にカルチャースクールで俳句を、さらに現代詩を学んでいく。「自分の中で物事の見方が変わっていくことが分かりました」。今回のコンクール作品は、その現代詩スクールの課題として書いた2編のうちの1つ。「びっくりした。本当に頂いていいのかな」とほほ笑む。
○…兵庫県生まれ。父親の仕事の関係で幼少時から10数回転校を繰り返してきた。大学時代の同級生と25歳の時に結婚。それを契機に名古屋で家を購入し、10年以上暮らした。「木や苗木が育つように、同じ場所で定住したかった」。しかし、夫の転勤でまた引っ越しをするに生活に。「根っこをどうしてもはれない。でも今はこれでいいと思えるようになっています」
○…ボクシングジムに通い、筋力や持久力をつけている。「身体と言葉はつながっているんです」。詩を含めジャンルにとらわれず文章を書いていくという。「流れるように生きてここまでやってきた。のらりくらりしながら、でも目の前のことに集中する人生を送りたい」と静かに語った。
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