昨年の世界ベテラン卓球選手権で優勝した 大倉 勝子さん 久末在住 69歳
おばあちゃんは世界王者
○…昨年6月、スウェーデンの首都ストックホルムで開かれた世界ベテラン卓球選手権65〜69歳女子の部シングルスで優勝、ダブルスで準優勝という輝かしい成績をおさめた。2年に1度開かれている同大会に初めて挑戦したのは50歳の時、オーストラリア大会だった。「優勝できるでしょ」。軽い気持ちで大会に臨むが、決勝トーナメント2回戦でドイツの選手に敗退し、悔し涙を流した。昨年の大会は、4度目の挑戦。初出場の時に負けた相手にリベンジを果たすというドラマもあった。決勝はファイナルセットまでもつれ込み、1本差の接戦を制した。「まさか優勝できるとは思っていなかった。最高。何物にも代えられない気分」と振り返る。
○…東京都出身。兄の影響で、小学生のころ卓球に出会う。「卓球の選手になりたい」。しかし、通っていた中学校には卓球部がない。親から反対されるも、中目黒のガード下の卓球場で汗を流した。良いコーチに巡り会い、めきめきと頭角を現し、高校、大学では国際舞台でも活躍した。
○…25歳で結婚し3人の子どもを授かると、子育てに追われ、ラケットを置いた。復帰したのは10年後。仲間からの誘いがきっかけだった。長いブランクで不安もあったというが、すぐに感覚を取り戻すことができた。「幼い末っ子の面倒をママ友達が見てくれて、私はラケットを振っていたのよ」と当時を懐かしむ。40代、50代では軟式の大会で全国制覇を成し遂げた。
○…高津区に住んで十数年。「地域の役に立ちたい」との想いで地元の介護施設でヘルパーの手伝いをしながら、市内の2つのママさん卓球サークルの指導にあたる。「辛いことがあってもラケットを振れば忘れることができる。卓球は1人ではできない。仲間がそこにいてくれる」。来年、ニュージーランドで開かれる世界大会にも「できれば挑戦したい」と意欲的だ。2人の孫がいるおばあちゃん。元気の源は卓球だ。
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4月26日