地域で40年編み物教室を主宰する 田中 好子さん 諏訪在住 66歳
創造する魅力、糸で伝える
○…「糸を活かすためにどんな編み方にするか考える時間が一番楽しい。失敗してもやり直せばいいからね」と、編み物の魅力を語る。自身で開業した手芸店の2階で始めた編み物教室は40年目を迎えた。現在、教室の生徒は10人。資格取得を勧め、作品の設計図となるパターン引きまで指導する。「計算が苦手な人もいるけど、年配の方にもしっかり教える。資格を取るために必死に頑張るし、勉強したことは必ず身になるからってね」と微笑む。
○…諏訪出身。青果店を営む家に生まれた。文化服装学院を卒業後、父親の『場所はあるから就職するより店を出したら』との助言から手芸店を開業した。ツテも何もない状態から問屋を開拓。「とにかく浅草橋を走り回ったの。信用ないから全て現金払い」と振り返る。店が軌道に乗ってきた頃、2階で開いていた編み物教室の講師が辞めることに。趣味で始めていたこともあり、自身が講師役となった。レッスン前は各生徒の作品の予習をし、腕前は、講師を教える教師の資格を取得するまでに。「『前の先生の方が』って言われるのがすごく嫌だったから。3カ月で10kgも痩せたわ」と笑う。負けん気の強さが店と教室を守ってきた。
○…中学、高校は洗足学園で青春を謳歌。バレー部に所属し、「外で真っ黒になりながら」練習に明け暮れた。田園都市線が溝口までだった当時。「遠征の日は、電車がないから宮崎台に住む子が必ず泊りに来てね」と懐かしむ。バレー部の交流は現在も続く。宮崎台の友人と2人で「永久幹事」として会を企画している。
○…今、挑戦したい作品は着物の生地を細かく裂いて編むもの。「母から譲ってもらったものとか、あるもので作るって魅力的じゃない?」と笑う。来年は何十年振りとなる教室の展示会を開催する予定。今秋には孫が2人増え、益々忙しくなる。「一つ終われば、また次のやりたいことが出てくる。終わりはありません」
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4月26日