高津区版 掲載号:2017年9月8日号
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プロのオカリナ奏者として秋の文化講座で講師を務める水本 一孝さん末長在住 60歳

「オカリナに救われた」

 ○…その音色は柔らかく、どこか懐かしさも感じる。高津区内でオカリナ教室を営むプロの奏者で10月からは区文化協会の講座で講師を務める。ヨーロッパ音楽を参考に自身が作った曲でCDを製作したこともある。しかし楽器の繊細さとは裏腹に、生き方からは豪快さもにじみ出る。

 ○…本屋を営んでいた父親がレコードをよく聴いており、物心がついた頃には自身も音楽が好きだった。オカリナを始めたのは13歳のとき。当時のオカリナブームの流れで叔父が買ってきたのを夢中で吹いた。小学生までは東京で少年合唱団に所属していたが、声変わりのため「歌以外で音楽と関わる場を求めていた」という。一方でその頃はサッカーにも夢中で、後に進んだ高校でサッカー部にスカウトされたほど腕を上げた。しかし当時のサッカー部はやんちゃな少年の集まりで、一時は染まりかねなかった。それでも踏みとどまれたのは、「オカリナを吹くことで心が落ち着いた」から。「オカリナに助けられた」経験があるからこそ、今も教室で音楽の大切さを教えられる。

 ○…趣味は今もサッカーだ。20年ほど前に東京から川崎市に移住してからは川崎フロンターレの熱心なファンで、シルバー会員にもなっている。現在は妻と小学4年生になる息子と一緒に毎週のように等々力競技場まで試合を見に行く。そのためか息子もすっかりサッカー少年に。息子のユニホームやボールもそろえなければならず、60歳になった今でも「日々の生活に追われているよ」と笑う。

 ○…自身の特徴を「一つのことが好きになったら、一生好きになる」と話す。だからこそ音楽とサッカーに出会えた人生に幸せを感じている。「生きているうちに好きなことを一つでも見つけられたら御の字。でないとどう生きればいいのか分からなくなる」。そんな一途な生き方は若々しく、還暦の年齢を微塵も感じさせなかった。

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