たまプラーザを拠点に活動するNPO法人協同労働協会OICHI(オイチ)(坂佐井雅一理事長)が主催する「第11回OICHIビジネスアワード」が、6月3日に都筑区の横浜市歴史博物館で開催され、美しが丘西在住の広瀬治代さんがプレゼンした「教えない音楽教室」がグランプリに輝いた。
当日は同協会の会員ら100人が見守る中、起業を目指す4人がプレゼンターとして登壇。審査員による選考により、広瀬治代さんのプレゼンがグランプリに、来場者の投票で選ばれるプレゼン賞には洞澤葉子さんの「仕事を面白がる大人のための、人材不足解消支援/人材育成プログラム事業」が輝いた。
グランプリを受賞した広瀬さんは、もともと大手音楽教室のピアノ講師。コンクールでの優勝を目指す、従来の「テクニック至上主義」の教室に疑問を持ったのが、新たな事業を考えるきっかけとなったという。
「答えを先に教えるのではなく、生徒に問いかけて引き出す」。将来の予測が困難な時代だからこそ、「自らが判断して、考える力を身につけられる教室に」とのコンセプトが審査員の共感を呼んだ。
「音楽を通じて地域課題の解決に取り組みたい」と話す広瀬さん。9月には、母親の育児負担の軽減のために父親の育児参加の重要性を訴え、「パパとリトミック体験」を実施する予定だという。
地域で起業家を支援
同アワードは、東日本大震災が発生した2011年に始まった。震災により国内に混乱が生じた中でも「経済を止めちゃいけない」と考えた同協会が企画。合言葉は「夢を持てる日本の復活」。起業を目指す人たちが斬新なアイデアを出し合い、共有して前に進んでいくことで、日本に元気を取り戻すことを目的としていた。
復興が進み理念は変わりつつも、地元の起業家支援としての側面は継続。コロナ禍による1度の中止を挟みながら、現在は同法人が主催する協同起業塾の受講生がプレゼンを行い、審査員が評価する場となっている。
今年は初めて、横浜市歴史博物館で開催。審査員は株式会社ココラボの代表取締役である江森克治審査委員長を筆頭に、社会保険労務士や中小企業診断士、金融機関の企業経営サポート部担当らが務めた。
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