大規模災害時の避難場所となる「地域防災拠点」の存在を知らない南区民が6割にのぼることが、3月下旬に発表された市民意識調査の結果で明らかになった。東日本大震災を受けて防災に対する意識が高まる中、拠点の認知度が低かったことに南区役所でも「対策を考えたい」としている。
同調査は市民の生活意識を明らかにし、政策立案や市政運営に役立てようと、市が毎年行っているもの。調査は昨年7月から8月に行い、20歳以上の2163人から回答を得た。このうち、南区民は139人。
市政への要望などの通常の項目に加え、東日本大震災を受け、災害や防災対策についても質問された。
地域防災拠点を「存在も場所も分かる」とした南区回答者は34・5%。「知らない」は無回答と合わせると60・5%で18区中6番目に高かった。市全体では「知らない」と無回答は58・9%だった。
4年前から認知度低下
07年の同調査では、南区回答者の63%が拠点を知っていると答えており、知らない人は28・9%だった。この4年間で認知度が大幅に低下しているが、市は「07年の調査時は、質問票に拠点の役割の説明文を加えており、単純な比較ができない」としている。
区内に25ヵ所
地域防災拠点は、震災による家屋倒壊などで自宅での生活が困難な時に避難生活をする場所。南区内では小中学校25ヵ所が地域ごとに指定されている。
東日本大震災以降、区内でも地域防災拠点の運営訓練などが行われている。2月に訓練を行ったある連合町内会の役員は「震災前と後では訓練の参加者数は変わらない」と住民の拠点に対する関心が高まっていないことを危惧していた。
区では、広報や区民生活マップなどで拠点の役割や場所を伝えてきた。それだけに拠点を知らない南区民が6割以上という結果を深刻にとらえている。災害対策を管轄する区総務課では「地域防災拠点拠点を知っていただくことは大事なことなので、対策を考えたい」としている。
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