昼過ぎの大岡地区センターロビーに将棋盤や碁盤を持った男性が集まり出す。静かに対局が始まると、表情は真剣そのもの。ピーク時には60代から90代まで、約30人が向き合い、駒や石が盤を打つ音が響き渡る。
ロビーは、地域の憩いの場としてさまざまな人が利用する。同センター開館時、囲碁・将棋愛好家が気軽に対局できる場所を求めて使用したことが始まりだ。その後、噂を聞きつけた住民が足を運び、次第に人数が増え、グループなどが結成された。
現在、約30人が入る「将棋友の会」の矢島清会長(80)は「20年くらい前から通っている。ここで仲間と会うことが日課」と語る。囲碁グループ「水曜会」の60代男性は「共通の趣味で話が盛り上がる。温かい人ばかり」と胸を躍らせる。
2月、「友の会」に嬉しいニュースが届いた。同会最年長の権守(ごんもり)照雄さん(88)=人物風土記で紹介=が市の将棋大会で優勝したのだ。病で心臓にペースメーカーが入る権守さんは、「若い人には勝てなくなってきた」と謙遜しながら、かつてアマチュア選手権などで活躍した実績を持つ。
矢島会長は「権守さんの優勝は嬉しかった。(将棋と囲碁は)頭を使うから元気な人が多い」。仲間と楽しむ憩いの場での一時が住民の活力を支えている。
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