▼来日間もない外国籍や外国につながる小中学生に日本語や学校のルールを教える支援拠点「ひまわり」が9月6日、中区の旧富士見中学校跡地に開設した。南区からは南吉田小の児童が多く通う。市内の日本語指導が必要な児童・生徒は約2千人おり、この5年間で約75%も増えている。
▼南区ではこれまで、こうした日本語の基礎や学校のルールを教えることは、各学校や外国人の生活を支援する「みなみ市民活動・多文化共生ラウンジ」が担ってきた。「ひまわり」開設によって、児童・生徒の日本語理解がより進み、学校は授業を行いやすくなる。市教育委員会は今後も増え続ける外国籍児童・生徒の実情に合わせ、スムーズに学校生活が送れるような取り組みを進めてほしい。
▼外国人全体の支援も急務だ。南区の外国人人口は約9400人で区人口の約5%を占める。市内では中区、鶴見区に次いで多い。10年前に比べて区全体の人口はほとんど変わっていないが、外国人は3割も増加している。南区の外国人の半数は中国人。特に中華街に近い、関外地区に多い。子どもだけではなく、保護者やほかの大人の日本語理解が不十分なケースもある。集合住宅のルールやごみの出し方など、外国人が生活を送る上で戸惑うことが多いとも聞く。自治会町内会が日常的な地域活動や防災活動を進める中、日本語が理解できない外国人にどうやって情報を届けるかも課題になっている。
▼「多文化共生」を進めようと、南区役所では昨年から日本語教室に通う人にごみの分別方法を教える取り組みを始めた。今年度は区と同ラウンジが連携し、特に外国人が多い寿東部地区をモデルに専門職員が地域に出向いて話し合いを行うなどしている。町内会が作成するチラシを外国人向けに翻訳するサービスも進む。まずは区側が地域にどのような課題があるかを把握することが大事だ。南吉田小が継続的に行う外国人保護者による料理教室のように、地域側も外国人の文化や生活が分かる行事を意識的に設けていくべきであろう。そうすることによって、相互の理解が進み、日本人と外国人の橋渡し役となる人物や団体が生まれるのではないか。南区全体で多文化共生の意識が高まっていくことを望む。
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