外国に関係する子どもが増える中、学校と地域の連携を考えるシンポジウムが7月13日に西区で行われた。外国に関係する児童が全校の半数以上を占める南吉田小学校の関係者や支援者がこれまでの取り組みなどを語った。その中で「外部の支援が子どもや地域の生活を豊かにする」といった意見が多く出た。
シンポジウムは外国人支援を行う横浜市国際交流協会(YOKE)と多文化共生に詳しい明治大学国際日本学部の山脇啓造教授の研究室が開いた。山脇教授らは3月に横浜市の学校による多文化共生の取り組みをまとめた著書を出版しており、それを記念して企画。約80人が集まった。
前半は児童本人が外国籍か両親のどちらかが外国籍の児童が全校の半数を超えている南吉田小の金子正人校長や外国人の生活支援を行うみなみ市民活動・多文化共生ラウンジの王慶紅さんらが「学校と地域の連携」をテーマに語り合った。
南吉田小には日本語の理解が不十分なまま来日する児童もいる。主に中国語を話せる市民ボランティアが学習支援や通訳として活動する。金子校長は「支援者が常時いることは、子どもの安心につながる」と語った。同ラウンジは2018年度に依頼を受けて355件の通訳派遣をした。そのうち南吉田小は140件。王さんは「来日直後の子どもには、母語による学習支援が重要」と訴えた。
外部支援が不可欠
南吉田小と同じように外国籍児童が多い、いちょう小=泉区=に勤務した経験がある金子校長は、当時の経験を踏まえた上で「以前は外部の人が学校現場に入ることに抵抗がある者もいたが、今はさまざまな人材の力を借りる必要がある」とした。王さんも「学校は地域の多文化共生の拠点である」とし、学校で児童や保護者が外国の文化を紹介することなどで、在住外国人の中から地域をつなぐ担い手が現れてほしいとした。それを受けた金子校長は「児童らは今後、定住する人材。この環境を強みに、夢や思いを実現できるようにしたい」と結んだ。
同ラウンジの館長を務めたこともあるYOKEの木村博之さんは「10年前に比べて学校と地域の信頼関係か強くなった。話を聞くと、昔にまいた種が実ってきているのを実感する」と手応えを口にしていた。
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