相次ぎイベント中止
新型コロナウイルスの感染拡大で大きな影響を受けている業界の一つがエンターテインメント。コンサートやライブ、イベントが開けない中、ネットを使った配信に活路を見出し、難局を乗り越えようとする試みが増えている。
「馬車道発横浜アイドル」として活動する女性6人組「ポニカロード」は2月まで、ほぼ毎週、各地のライブに参加していたほか、平日にも数回、拠点にする馬車道のイベントスペース「ヨコハマスリーエス」で公開イベントを開き、ファンを集めていた。
しかし、3月以降は参加予定ライブの中止が相次いだ。ライブに出演し、グッズ販売やファンとメンバーが一緒にインスタントカメラ「チェキ」で撮影する写真販売が活動を支える収入になっていたが、それが一気になくなった。所属事務所社長の川本翔大さんは「春には国際的なイベント出演なども決まっていたので、この状況は本当に残念です。収入減はもちろん痛手ですが、いろんなステージにポニカロードを立たせてあげられないこと、ファンの方に見てもらえなくなったことが本当に悔しいです」という。
アイドルライブを動画で
ファンを1カ所に集めることが難しくなったことを受け、3月8日から、スリーエスで行うライブの様子を「YouTube」で配信する試みを始めた。視聴希望者は事前に500円から2500円まで5種類の「チアチケット」をサイト上で購入する仕組み。「投げ銭」の意味合いを込めたチケットのため、金額によるサービスの差はない。6人による1時間のパフォーマンスを約40人が画面を通して応援。配信中には視聴者からのコメントにメンバーが反応してやり取りする場面もあり、画面上でも観客を前にしたライブと同じような一体感を醸し出していた。
ライブの有料配信は4月5日まで計4日間開催。緊急事態宣言が出た後は、メンバーが集まることを避けるため、6人が同時に自宅から配信する様子を一つの画面で紹介する「サテライト配信」に移行。初回の11日は、川本さんがスリーエスでパソコンなどの配信機材を巧みに操って画面をコントロールしながら、クイズや質問を出し、メンバーがそれに答えていった。16日はお笑いコンビ「横浜ヨコハマ」とともに毎月スリーエスで開いていた公開イベントをサテライト配信で実施。18日にはライブで共演することが多いほかのアイドルにも配信に加わってもらうなど、工夫を続けてファンを楽しませている。
画面通してファンと交流
メンバーは有料配信以外にも動画アプリを使って自らの様子を発信し、ファンと交流を続けている。ポニカロードのリーダー、入船あんさんは「ライブができない、イベントに出演できないのは本当に残念ですが、配信でファンの方とやり取りができて救われています。多くの方に見ていただいて、たくさんコメントいただいて、本当に感謝しかありません」と話す。川本さんは「ただ配信するだけではなく、少しでも楽しんでもらえるような企画を考えています。早期の収束を願っていますが、長期化することも考え、できるだけ多くの方に楽しんでもらえるような内容を考えたいです」と話し、既存のファンに加え、新たな層にも浸透を図りたい考えだ。さらに「ほかのアイドルやアーティストも大変な状況。希望する方へ配信に必要な機材や技術も提供したいです」と得られた経験でエンタメ業界の苦境を救おうとしている。
南区版のローカルニュース最新6件
|
|
高田市議の後援会発足3月28日 |
|
|
|