南区ゆかりの作家2人
南区にゆかりのある陶芸家・宮川香山や井上良斎の作品を展示した焼物展「幻の横浜焼・東京焼」が茨城県陶芸美術館で行われている。一部の作品は同美術館のYouTubeチャンネルでも公開中だ。
江戸時代の鎖国が終わった開港直後の明治期に、その精緻(せいち)な絵付けから欧州諸国で「ジャポニズム」と呼ばれるブームが起きた。横浜や東京に陶器商や陶画工が集まり、「横浜焼」や「東京焼」の作品を輸出。しかし、時代の流れや関東大震災などで姿を消し、国内に現存する品が乏しいことから「幻の陶磁器」と呼ばれている。
宮川香山は、明治初期に現在の南区庚台にあたる場所に窯を設け、輸出向けの「眞葛(まくず)焼」を作った。1876年のフィラデルフィア万国博覧会に出品された作品が絶賛され、世界にその名を知られることになった。窯があったそばにある太田小学校では授業で香山の功績を学んだり、焼き物を作るなどしている。
井上良斎は、大正期に永田で活動。現在も永田周辺の有志が設立した「登り窯と永田の自然を守る会」が協力し、窯や陶器を焼く際に使われていた道具などがそのまま保存されている。
市内在住で国内随一のコレクターとして知られている田邊哲人(てつんど)さんのコレクションを中心に、宮川香山の「高浮彫牡丹ニ眠猫覚醒大香炉」や井上良斎の「高浮彫雲龍花瓶」など、約150点を展示。動画は約7分間。同館の学芸員が歴史的背景や作品について解説している。田邊さんは「明治の職人たちの卓越した技術などを見てもらえれば」と話している。
問い合わせは茨城県陶芸美術館【電話】0296・70・0011。
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