▼南区役所は10月からビデオ会議を町内会などの地域活動にも取り入れてもらうためのタブレット端末体験会を始めた。コロナ禍で急増するインターネットを使ったコミュニケーション方法を知ってもらい、停滞する地域活動を再開してもらおうというねらいだ。体験会参加者の中から希望者に区所有のタブレット端末を貸し出し、地域へ普及させていく。
▼新型コロナの感染拡大で、町内会の対面会議を開けないところが多くあった。活動の中心となる役員の多くは高齢者で、スマートフォンなどでのビデオ会議に不慣れな人がほとんど。スマホやタブレット、パソコンを使う対面会議は、話し合いのツールにとどまらず、一人暮らしの人とのおしゃべりや災害時の安否確認など、さまざまな場面での活用が考えられる。すでに新たなコミュニケーション方法として定着しつつあり、この機会に多くの人に体験してもらおうという区の取り組みは評価できる。
▼今後、区や公共施設で今回のような体験企画が多く開かれるだろう。未体験者に端末に触れてもらうことと同時に、スマホなどの機器の操作に明るく、それをさまざまな人に教えられる人材を地域の中で育てる仕組みも構築したい。スマホの操作や契約に手を焼く高齢者は多い。地域に的確にアドバイスできる人がいれば、生活や地域活動の充実につながる。
▼地域活動への関与が少ないとされる働き世代は、スマホやパソコンを日常的に使う。基本的な操作を教えることは難しくないはずだ。高齢者に教えることで、地域との関係が生まれ、自治会町内会の加入につながる可能性もある。また、スマホを当たり前のように使いこなす子どもがそこに加われば、世代交流が図れる。町内会には「防災部」や「交通部」などを設けるところが多いが、「IT部」「ネット部」のような相談窓口を作ってもいい。町内会側が必要性を感じることが前提だが、区や公共施設は、そうした人材を発掘、育成するために講座の企画やツールの開発などに取り組んでほしい。
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