伏見町在住の写真家・中村康伸さん(51)=人物風土記で紹介=が民主化の動きが激しい香港の様子を収めた写真展を中華街内のギャラリーで4月29日まで開いている。デモの最前線をとらえた写真などを展示。中村さんは「自由が失われている香港の状況に無関心であってはいけない」と警鐘を鳴らす。
中村さんは2014年12月、民主化を求める大規模なデモ「雨傘運動」の際に初めて香港を訪れた。それまで香港に特別な関心はなく、知人に連れられて行ったものだったが、そこで市民の熱量に圧倒されたという。日本でいう国会議事堂の前を2Kmにわたって市民が占拠。「警官隊が排除しようと、そこにいる人々を次々に連行しても、人がどんどん集まってきた」と振り返る。
以来、これまでに11回香港を訪れた。時には市民と警官隊が衝突するデモの最前線で催涙ガスを浴びることもあっという。香港には親日家が多く、現地の人から「あの場所ならいい写真が撮れる」とアドバイスを受けたこともあった。
これまでも写真展を東京などで開催。中華街での開催は昨年に続くもの。今回は民主活動家として中心的な役割を果たす周庭(アグネス・チョウ)さんらを間近で撮影したものなど、77点を展示する。中村さんは「日本人も自由に無関心ではいけない」と写真を通して考えてほしいと願う。
会期は29日まで。月、火曜日は休廊。入場無料。正午から午後5時。会場はAAAアネックスギャラリー=山下町146の2=。24日午後6時30分からは中村さんと香港に詳しいライターの伯川星矢さんのトークイベントがある(入場料1千円)。問い合わせはギャラリーへメール(baboo146.info@artaraqasia.com)で。
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