市立蒔田中学校(木藤(きとう)肇校長)に咲く「イワガラミ」と呼ばれる白い花のアジサイが見ごろを迎えている。同校名物は気候の影響から例年より早いペースで花を咲かせており、学校側は「イワガラミは過去最高の状態。遠出が難しい中、近所を歩きながらアジサイを見て心を和ませてほしい」としている。
同校は2012年に南中から蒔田中へ異動した教諭の佐々木大輔さんが着任したのを契機にアジサイ栽培に力を入れ始めた。南中で栽培実績のある佐々木さんを中心に、正門横のフェンス沿いを中心に苗を植えて育ててきた。校内の美化委員や生徒有志も加わって栽培を続け、同校は15年に全国の学校緑化コンクールで2位に相当する評価を得るまでになった。
佐々木さんが18年春に教員を退職し、その後は一時的に花の規模が小さくなった。しかし、19年に佐々木さんが「植栽アドバイザー」としてアジサイ栽培の現場に復帰。水やりや枝の剪定などを丁寧に行ったことで、再び花が多く咲くようになった。
特に「イワガラミ」と呼ばれる、木に巻き付くようにツルが伸びる花が注目を集める。佐々木さんによると、イワガラミは北鎌倉の「東慶寺」が有名。「南区や横浜でまとまって見られるのは珍しい」という。
例年より早い開花
暖冬の影響などもあり、今年は開花が例年より1〜2週間早い。イワガラミの一部はすでに満開。フェンス沿いの木に咲く白い花は外を通る人の目を引く。
例年、佐々木さんはアジサイの時期に鎌倉の名所を訪れて栽培法を学んでいたが、昨年はコロナ禍でほとんど足を運べず、蒔中で花の手入れに多くの時間を割いた。昨シーズンから今年にかけて、丁寧に栽培した結果、「今年のイワガラミは花が多くて大きく、今までで一番良い」と胸を張れる状態に仕上がった。また、4年前に挿し木したイワガラミが別の木で初めて開花するなど、地道な手入れが文字通り花を咲かせている。
ほかにも、南中でも多くの花を咲かせていた赤と白の「未来」も見ごろ。現時点で10種類前後の花が見られる。佐々木さんは「開花は5月下旬から6月上旬がピークになる」と予想する。
剪定を工夫し、フェンスの外からでも花を見られるようにしている。同校の木藤校長は「外出が難しい中、アジサイを見て心を和ませてほしい」と話す。今後、開花状況に合わせて校内に入れる見学会も検討している。また、佐々木さんに”弟子入り”を志願した生徒もおり、簡単な栽培法を教えるなど、校内への広がりも見られる。問い合わせは同校【電話】045・711・2231。=紙面下段に写真コーナー
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