市立永田中学校(永山泰士校長)は給食配膳における生徒の負担を減らそうと、各自が配膳室まで受け取りに行く形式から民間業者が教室前まで運ぶ形式に変えた。生徒からは「食事の時間が増え、しっかり味わって食べられるようになった」との声が上がっている。
横浜市は今年度から「ハマ弁」を学校給食法に適応させ、市立中学校で給食の提供を開始した。給食は申し込み制で、全校生徒564人の同校では毎日約140人が注文する。
生徒は4時限目の授業後、校舎1階の配膳室まで給食を受け取りに行っていた。一人ずつに手渡すため時間を要し、25分の昼食時間が実質15分程度に。保護者からは「給食行列が新型コロナウイルスの感染拡大につながるのでは」との声も上がり、「ゆとりをもって食事ができる体制を整えてほしい」などの要望が寄せられた。
他校模範に
星野幸稔副校長は、前任の中学校が業者がスロープを使って給食を教室近くまで運搬している例を参考に、同校に合った対応ができないかを永山校長に相談した。
市から委託を受け、同校に給食を提供する安田物産=本社・大和市=の協力の下、同社の職員が昼食時間までに教室前など、生徒が受け取りやすい場所まで運ぶ形式を5月から開始した。南区で同様の方法を取っている中学校はあるが、エレベータなどの設備面もあり、3学年すべての学級に対応しているのは永田中学校だけだという。
同社の職員が市から提供された桶に冷たいものと温かいものに分け、台車に乗せてエレベータで運ぶ。これにより、4時限目後に手洗い、うがいを済ませれば、すぐに食事をとれるようになった。
生徒は「行列に並ぶストレスがなく、心に余裕をもって食事ができるようになった」と喜び、教職員からは「子どもが給食を受け取ったかの確認をスムーズにできるようになった」と前向きな意見が出ている。
永山校長は「お昼休憩は友人や先生とコミュニケーションを図るための大切な時間。生徒が不自由なく学校生活を送れるように、学校側は可能な限り応えていきたい」と話している。
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