井土ケ谷中町の日本濾水機(ろすいき)工業株式会社(橋本美奈子社長)の移動式浄水装置3台がロシアの侵攻を受けるウクライナのオデーサ(オデッサ)市で飲用水確保のために使われることになった。オデーサ市から姉妹都市である横浜市に支援要請があり、市が同社から購入して現地に届けるもの。浄水装置は近日中にオデーサに届く予定。
横浜市の山中竹春市長とオデーサ市のゲネディー・トゥルハノフ市長が5月13日に行ったオンライン会談の際、ロシアの侵略により、水道施設が攻撃を受け、水供給機能が停止する可能性があることが説明された。その後、ウクライナ側から市に正式な支援要請があり、市は浄水装置をすぐに納品できる事業者を選び、4100万円の予算で計33台を購入した。
オデーサ市に提供するのはJFEエンジニアリング=鶴見区=が寄付した11台と日本濾水機工業など4社の22台の計33台。市によると、川の水をろ過するために使うことが想定され、10万人分相当(1人1日3リットル換算)の飲用水を確保できるという。
川の水を飲用に
日本濾水機工業には5月中旬に市から打診があり、3台を提供。3台は異なる製品だが、水を汲み上げ、フィルターでろ過し、飲用水となる。高機能のものは、1時間に3トンの水処理が可能。同社は人道的支援の立場から、装置3台を実質2台分の価格で販売した。
同社の製品は食品や医療、医薬品メーカーで使われることが多い。2014年には、同社そばの井土ヶ谷中町第二自治会が災害時に井戸水などを飲料用に使えるようにするため、製品を購入したことがある。通常、注文から納品までは約半年が必要だが、今回は緊急事態のために、急ピッチで組立作業を進めている。
市は装置33台を輸送するため、6月中に空港倉庫に運ぶ予定。市と協定を結ぶJICA(国際協力機構)と協力して現地へ届ける。市国際局は「現時点でオデーサの水道施設が攻撃を受けたという情報はないが、市民に水供給ができなくなるリスクに直面している」という。同社は「水は生活に必要なもの。装置をオデーサで使ってもらえれば」としている。
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