横浜市などは最高速度が30キロに制限された生活道路に狭さくなどを設置して車両の減速を促し、交通安全の向上を図る施策「ゾーン30プラス」を7月末、大岡小学校の周辺区域に県内で初めて導入した。住民も加わって検討したもので、運転手に注意喚起し、歩行者などの安全確保につなげていく。
住民らが議論
「ゾーン30プラス」は警察が交通規制をする区域「ゾーン30」に、狭さくや道路上に凸部を設ける「ハンプ」と呼ばれる速度抑制が期待できる「物理的デバイス」を組み合わせ、歩行者や自転車の安全な通行を確保する取り組み。昨年6月、千葉県八街市で児童5人がトラックにはねられて死傷した事故を受けて、道路管理者や警察らが連携し、住民の意見を反映して整備を進めている。
これまで、南区内でゾーン30が導入された区域は4カ所。大岡小の周辺区域は児童などの交通量が多い生活道路で、2014年に同校周辺をゾーン30に指定するなどの施策を行ってきた。しかし、時速30キロを超えて走行する自動車が多く、交通事故が発生したり、歩行者が事故に巻き込まれそうになる場面が見られた。
同校や南警察署、自治会町内会の役員などで構成する「南区大岡小学校周辺地区交通安全対策協議会」が昨年7月に立ち上がり、状況改善へ向けた新たな施策を話し合った。データ分析の結果、弘岡橋から同校正門側のグラウンド横を通る道路や中島町公園と横浜銀行弘明寺支店を結ぶ道路などが事故のリスクが高い場所だと分かった。
導入に手応え
同協議会で話し合いを進め、今年1月、児童の通学路に当たる大橋町2丁目から中島町4丁目に及ぶゾーン30のエリア10・9ヘクタールに物理的デバイスを設置。車道の通行部分を局所的に狭くし、車両の速度を抑制する狭さく、路面を滑らかに盛り上げ、車両の運転手に不快感を与えて速度を抑えるハンプなどを竣工した。
7月末に弘岡橋付近にゾーン30プラスの標識看板と路面標示を設置。日ごろ、エリア内を自動車で走行する20代男性は「標識や路面標示が目に入り、今まで以上に安全確認をしながら通るようになった」と話す。
同協議会のメンバーで本大岡地区町内会連合会の根本守会長は「狭さくやハンプ、ゾーン30プラスの標識などが設置されてから、一時停止を守り、エリア内を減速して走る車が多いように感じる。今のところ、住民からハンプによる騒音などの報告はない」と話し、手応えを感じている。
南署は「ゾーン30プラスのエリアに限らず、正しい交通ルールやマナーを守ってほしい。歩行者や自転車にも注意を呼び掛けていきたい」と話し、取り締まりを強化していくとしている。
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