市立南中学校和太鼓部が10月8日にあった「第25回日本太鼓ジュニアコンクール神奈川県大会」で3位に入賞した。1、2年生だけで挑んだ大会。これまでの最高順位だった4位を上回る結果に部員たちは喜びをかみしめ、コロナ禍で部員が減少するなどの悩みを抱えるチームを勢い付ける結果となった。コロナ禍前に多かった地域行事の出演依頼も届きつつあり、全国規模の大会出場も決まるなど、活動の幅を広げている。
同大会は、次世代を担う子どもの健全育成と日本太鼓の後継者育成を目的に行われているコンクールの予選会。新型コロナウイルスの影響で、対面での開催は3年ぶりとなった。大会側が指定した課題曲を演奏できるなどの条件を満たした18歳以下で構成されたチームが参加。5分間で課題曲と自由曲を演奏して争った。
喜怒哀楽を表現
南中は登録上限の15人で出場し、課題曲と顧問の深澤光貴教諭(35)が作った自由曲「結音(むすびね)」を演奏した。太鼓を叩くだけではなく、笛の演奏や手拍子を組み合わせて「喜怒哀楽」を表現。音量などの力強さで勝る高校生チームに対し、音の強弱を意識した表現力で勝負した。審査員から、演技中の凛とした姿勢や太鼓を叩く時の腕の角度を称賛され、同校初の3位に輝いた。
大会に向けた練習でリーダー役を務めた藤井明香さん(2年)は「大声の出し方など、先生や先輩から学んだことを発揮できた」と語り、今までの積み重ねが結果に表れたという。メンバー入りが叶わなかった部員や大会直前にあった同校文化祭での引退発表会を控えた3年生が大会出場者に練習場所を譲るなどの配慮を行い、全員でつかんだ入賞となった。
入賞の要因は一人ひとりの「うまくなりたい」という向上心。深澤教諭は「自主練習は各自に任せている」と言うが、部員は帰宅後に鏡の前で太鼓を叩く時の構えなどを確認。初心者が多いというハンディを地道な努力でカバーした。優勝を逃し、全国大会の切符を手にできなかったが、同校に新たな歴史を刻んだ。
地域行事の出演依頼も
和太鼓部のある中学が少ないこともあって、3年前は69人の部員がいたが、現在は44人に減少。コロナ禍で地域の祭りなど、日ごろの成果を発表する機会を失い、露出が減ったことが部員減少につながったという。
しかし、最近は地域行事が復活しつつあり、同校和太鼓部にも出演のオファーが届いている。さらに、先日、全国規模の大会である「味噌六日本一決定戦」の予選会を通過。来年1月15日に南公会堂で行われる同大会に向けた準備を進めており、優勝を目指す。
部長の尾身由良さん(2年)は「味噌六日本一決定戦では優勝できるよう、高い意識を持って練習に取り組んでいきたい」と意気込みを語る。副部長の大貫結さん(同)は「日ごろから明るい雰囲気と活気を大事にしている」と話し、来年の入部希望者が増えることを願っている。
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