東日本大震災の被災地である岩手県釜石市で防災普及活動を行う高校生グループを横浜に招こうと、交通費などを募るクラウドファンディング(CF)が行われている。大学生や若者支援団体のメンバーらによる実行委員会が進めるもので、3月には弘明寺商店街内で高校生グループが防災啓発活動を行う計画もある。実行委は50万円を目標にしており、「大震災の教訓を横浜に伝えることに協力してほしい」と呼び掛けている。
震災伝承の団体招く
実行委が横浜に呼ぼうとしているのは、釜石市の高校生有志が中心となって東日本大震災の教訓を伝えようと防災活動に取り組んでいる「夢団」。2020年1月に設立され、現在は約50人が所属している。
若者支援を行う公益財団法人「よこはまユース」は21年12月、夢団と横浜の交流イベントを企画。コロナ禍で直接の対面はできず、オンラインで実施し、参加者は後日の「再会」を約束していた。
21年5月から行われていた震災を学ぶよこはまユースの事業に参加した慶応大学2年生の小林美月さんは、事業を通して復興のために大人とともに地域で活動する夢団の高校生の存在を知った。その中で「夢団の活動を全国に発信できる手伝いがしたい」と感じ、昨年10月、事業で知り合った人と「釜石『夢団』横浜へトライ!実行委員会」を設立。自身が委員長となり、賛同者を募った。
3月に防災イベント
実行委は3月に夢団を横浜に招く計画を立てた。計画では、横浜総合高校が3月4日に弘明寺商店街で行うイベントに参加し、実行委と夢団などが災害伝承や防災普及を考えるパネルディスカッションを実施する。ほかに、4、5日に金沢区で夢団と横浜の高校生が交流する予定だ。
記憶残る最後の世代
夢団のメンバーの交通費やイベント経費などに50万円が必要で、12月22日にCFを開始。同日、中区でキックオフイベントを実施した。実行委員の一人で、夢団をサポートする釜石市の団体「三陸ひとつなぎ自然学校」代表の伊藤聡さんが講演。伊藤さんは夢団の活動を紹介した上で「今の高校生は東日本大震災の記憶が残っている最後の世代。持続可能な地域づくりのためにも、若い人が伝承していくことが重要」と話した。夢団はオンラインで参加。日頃から行っている災害時の行動を考える「クロスロードゲーム」の問題を出し、それを受けて会場にいる高校生らが考えを語り合った。
小林さんは「夢団を横浜に招くことで、横浜で防災活動に取り組む高校や関係者が意見を交わし、新たな動きが生まれることを目指したい」とCFへの協力を呼び掛けている。CFは1月17日まで「CAMPFIRE」のサイトで実施。問い合わせは実行委事務局【電話】090・6018・8359。
南区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|