中村地区の平楽中、石川小、中村小の3カ所の地域防災拠点訓練が9月10日、同時に行われた。近隣の拠点が同日に訓練を行うことは珍しく、拠点をつないで防災無線を使った通信訓練を行うなど、連携して取り組んだ。
地域防災拠点は、震災による家屋倒壊などで、自宅での生活が困難な時に避難生活をする場所。横浜市内で1カ所でも震度5強以上の地震があれば、避難所として開設される。南区内は小中学校25カ所が地域ごとに指定されている。各拠点では年1回、地域住民による運営委員会が中心に訓練を行っている。
中村地区の平楽中、石川小、中村小の3拠点は、連携強化を目的に2014年から同日に訓練を実施している。19年までは広く住民に呼び掛け、避難者の受け入れなどを行っていた。コロナ禍以降は参加者を拠点の開設・運営に携わる運営委員会のメンバーらに限って開催している。
平楽中地域防災拠点(彦根仁運営委員長)の訓練には約40人が参加。運営委員は情報、庶務、食料物資、救出救護の4班に分かれ、避難者の受け入れや倉庫にある物資の確認を行った。
情報班が進めた通信訓練では、デジタル移動無線を使い、職員室にある親機に子機をつなぎ、区役所や他の拠点に連絡した。過去の訓練ではうまく通信ができないことがあったが、今回はスムーズに連絡できた。
その後は校庭に設置されている緊急給水栓について市水道局から説明を受けた。災害時、地震に強い管に臨時の装置を取り付けて給水する施設で、その仕組みや他の災害時給水所の役割などを学んだ。
3カ所の拠点訓練を見た中村地区連合町内会の吉井肇会長は「災害時、拠点間の連絡は欠かせない。被害状況を共有し、避難者の受け入れに余裕がある拠点へ行ってもらうことも考えるべき」と同日訓練の利点を語る。
中村地区は3拠点で地区の範囲が全て収まるが、他の拠点では複数の地区にまたがることが多い。町内会行事の兼ね合いなどから、近隣の拠点が同日に訓練を行いづらい状況にある。
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