消防職員が高齢者世帯を訪問し、住宅防火についてアドバイスを行う「防災訪問」をオンラインで行う市内初の試みを南消防署と六ツ川1丁目のシニア向け体験施設「ミライ想造ラボ」(ミラボ)が連携して進めている。9月14日に施設で防災勉強会があり、参加者にオンライン防災訪問の概要が説明された。今後、両者で参加しやすい方法を探る。
防災訪問は高齢者を火災被害から守ろうと市内の消防署が行うもの。本人や家族が希望する高齢者世帯を消防職員が訪問し、玄関先で火災予防についてアドバイスする。希望があれば室内のコンロや火災の危険がある場所を確認していく。
南消防署は防災訪問で年間数十軒の家庭を訪れている。しかし、数人の職員が出向き、1時間前後が必要なため、人員の問題もあり、柔軟に対応できない課題がある。
ミラボは「介護のツクイ」を経営する株式会社ツクイ=港南区上大岡西=が運営する施設。これまで南消防署と連携し、防災セミナーなどを行ってきた。施設では以前から高齢者のデジタル活用に課題を感じており、消防署と相談の上、オンライン防災訪問をデジタルを使いこなす入口にしたいと考えた。
14日は「サポーター」と呼ばれる施設利用者を対象にした防災勉強会を開催し、オンラインを含めて約10人が参加。南消防署の職員が火災、救急、自然災害の備えについて講義した。その上で防災訪問をビデオ会議システム「Zoom」で行う試みについて説明。消防署と希望者の自宅をつなぎ、コンロなどの様子を映像で見せれば職員がアドバイスできることを伝えた。参加者は防災訪問の有用性を感じた様子だったが、Zoomの操作方法や自宅内を映像で見せることへの不安を口にする人もいた。
ミラボはZoom操作の講習会を行った上で、デシタル防災訪問を実施したい考えだ。担当者は「どのような方法だと参加してもらいやすいか検討したい」と話す。南消防署も市内初の試みへ向けて、より良い方法を探っていく意向だ。
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