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南区版 公開:2023年10月26日 エリアトップへ

難民の思い、生徒ら聞く 横浜国際高で交流企画

コミュニティ社会

公開:2023年10月26日

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体験を語るフリーバさん(右)(左は宮嶋さん)
体験を語るフリーバさん(右)(左は宮嶋さん)

県内のベトナム、カンボジア、ラオスの定住難民らがスポーツで交流を図る「アジアスポーツフェスタ」が10月22日、六ツ川の県立横浜国際高校で行われ、約150人が集まった。この中では難民として母国を逃れた人の体験が語られ、参加者が思いを聞いた。

 フェスタは難民や元難民と若者がスポーツを通して理解を深めることが目的。元テレビ朝日アナウンサーでスポーツ文化ジャーナリストの宮嶋泰子さんが代表理事の一般社団法人カルティベータが主催する。宮嶋さんは同高の前身である県立外語短大付属高の出身。

 イベント前半は県内のベトナム、カンボジア、ラオスからなどの定住難民や東アフリカのエリトリアから難民認定を受けた人に同校生徒や東海大の学生が加わり、即席チームを組んでバレーボールを楽しんだ。

ベトナムから船で

 昼食は、1983年に社会主義体制のベトナムを逃れて日本に来た南雅和さん(ベトナム名=ジャン・タイ・トゥアン・ビンさん)が東京で経営する料理店「イエローバンブー」の弁当を食べた。

 昼食後に南さんが参加者の前に登場し、自身が小さな木造船に100人以上が乗って命の危険を感じなからベトナムから逃れた体験を語った。木造船は沖縄水産高校の実習船に発見され、難民として保護された。南さんは2019年に実習船の当時の船長と再会を果たしたことを紹介。「日本人は親切にしてくれる」と思いを語った。

アフガン女性初の五輪

 続いて、アフガニスタン出身で母国の女性アスリートを支援する活動を行うフリーバ・レザイーさんが思いを述べた。

 フリーバさんは、1990年代にパキスタンに避難し、スポーツに打ち込んでいた。2001年のタリバン政権崩壊後に母国へ戻り、柔道に出会った。当時は女性がスポーツをすること自体に世間から厳しい目が向けられていたが、それでも練習を続け、04年のアテネ五輪の柔道70kg級に出場。同国初の女性オリンピアンとなった。

 11年に難民認定を受け、夫の故郷であるカナダで永住権を取得した。2年前に復権したタリバン暫定政権下では、女性の権利が大幅に制約され、スポーツも禁止されている。フリーバさんは「アフガニスタンでは女性や子どもに自由はない。誰でもスポーツをする権利はある」と訴えた。フリーバさんは思いを英語で語り、同校の生徒が通訳した。

 難民の話を聞いた生徒からは「命がけで母国を逃れてきたことが分かった」などの感想が聞かれた。宮嶋さんは、日本の難民認定率が低いことに触れた上で「難民に対する理解は以前より広がっているが、高校生や大学生にもっと考えてほしい」と訴えた。

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