市立太田小学校(丸山稔校長)で2月8日、南区在住の落語家・桂枝太郎さんを招いて「心の健康」について考える講演があった。同校学校保健委員会の取組で、4〜6年生の約150人が落語を聞きながら、笑いやコミュニケーションの図り方を考えた。
「学校保健委員会」は、心身ともに健康な子どもを目指し、健康や安全に関係する問題について話し合ったり、取り組めるようにするため、各校に設置されているもの。教職員や児童、関係団体がメンバーとなって、学校ごとにテーマを決めて取り組んでいる。
「笑い」の効果
同校は今年度、「心の健康」をテーマにした。昨年、コーチングの専門家を招いたのに続き、今年度2回目の取組は「笑い」に着目。笑いによって優しい気持ちになることが心の健康につながると考えた。
桂歌丸さんの弟子で、南区在住の桂枝太郎さんに依頼し、落語を通して笑いとコミュニケーションについて考えた。
枝太郎さんは体育館に集まった同校4〜6年生約150人と保護者らを前に、手ぬぐいと扇子を使った所作を説明。扇子を割り箸にしてそばやうどんをすする様子を演じ、音によって食べ分けた。「ここには何もないけれど、何でもある」と所作が想像力を膨らませることにつながるとした。さらに、登場人物を演じ分ける際に顔の向きを左右で分ける「上下(かみしも)」のやり取りも紹介し、「みんなも日常会話で使っていて、知らないうちに落語を取り入れている」とした。
その後は古典落語の有名演目である「初天神」を演じ、児童の笑いを誘っていた。
児童からは「自分たちもいつの間にか落語のようなやり取りを使っていると初めて知った」などの感想が聞かれ、落語が持つコミュニケーション方法としての役割を感じ取った様子だった。
枝太郎さんは、落語にまつわる本が学校図書室にあることや高座の動画が手軽に見られることを児童に伝え、「これをきっかけに落語に興味を持ってもらい、生で見てほしい」と呼び掛けた。
丸山校長は「落語によって想像力が育まれることが分かった。笑いで子どもが心も体も元気になってくれれば」と期待した。
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