知的障害者の保護者らの団体が災害時に障害者が避難所で生活しやすいように、イラストを使った分かりやすい案内表示を備品として常備するように求めている。2月8日には中村地区センター主催の防災講座に団体のメンバーが参加。地域住民と意見交換をしながら、案内表示の必要性を訴えた。団体は「この動きを広げていきたい」としている。
活動しているのは、「障がい児(者)の将来を考える会『泉の会』」の有志「Kokua(コクア)」。2010年、障害児者の保護者らによって発足。「みんないっしょ」をテーマに地域や学校に出向いて啓発活動を続けている。これまでに知的障害者の行動や特徴を説明した動画を作るなどしてきた。
啓発活動と並行して進めてきたのが、災害時の避難所となる地域防災拠点の知的障害者の受入体制整備だ。
拠点での生活困難
Kokuaよると、知的障害者は環境の変化に敏感で、急な対応が難しく、拠点での生活は困難が予想されるという。そこで、安心感を得られるように、拠点のどこに何が置かれているのか、どのような場所があるのかを知らせるイラストを用いたマップや食事の時間など、1日の予定をイラストで知らせるボードを拠点の備品として置いてほしいと訴えてきた。
「誰もが役立つ」
8日に中村地区センターで行われた地域防災拠点の運営委員や中村地区の町内会役員らが集まった講座にKokuaのメンバー5人が参加。知的障害者の行動や特徴を説明した上で、マップやボードの実物を示して必要性を訴えた。メンバーの秋元三恵さんは「これは障害者だけではなく、誰にとっても役立つものであり、ぜひ導入してほしい」と話した。
その後、拠点で障害者がどうしたら生活しやすくなるかを参加者と話し合った。拠点運営委員からは「拠点の訓練に障害者が参加したことがなく、実際にどう接していいか分からない」という声が多く聞かれた。マップやボードに対しては「イラストになっていれば分かりやすい」と好意的な意見が多かった。Kokuaの尾崎真美さんは「この話を地域に持ち帰って広めてほしい」としていた。
Kokuaは昨年12月に六ツ川大池地区でも講座を開き、住民と意見交換しており、災害時の知的障害者の生活について、理解を深めてもらう活動を続ける。拠点へのマップやボードの配備は南区にも提案しており、地域にも必要性を訴え続けていく考えだ。
南区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|