市立六つ川西小学校(稲葉靖校長)の6年生が2月6日と20日、昨年末まで学校そばにあった居酒屋の看板メニューだった「味噌焼きおにぎり」を再現して販売した。さらに、児童の発案で売上金の全額を能登半島地震の被災地に寄付した。
住民に販売 売上金寄付
取組を進めたのは6年1組。昨年6月、「地域のつながりをつくる」をテーマに、総合的な学習の時間で平戸桜木道路沿いの通称「あじさいロード」のごみ拾いを行った。その際に六ツ川四丁目町内会から感謝の気持ちとして提供されたのが4丁目にある居酒屋「手仕ごと料理 まん○(まる)」の味噌焼きおにぎりだった。数種類の味噌、砂糖などを煮詰めた特製味噌が表面に塗られた焼きおにぎりは、「まん○」の看板メニュー。
児童はそのおいしさに感動するとともに、店を1人で切り盛りする女性店主が東日本大震災の被災地、宮城県石巻市出身だったことを知り、1年間かけて店主と交流することを決めた。防災について学んだり、オリジナルおにぎりを作る計画を立てた。
閉店知って再現
児童は数回「まん○」を訪れ、おにぎりの作り方やこだわりなどを教わっていたが、店主が体調を崩したため、昨年末に急きょ閉店することになってしまった。閉店をを知った児童は試作を重ね、「まん○」の味噌焼きおにぎりを再現し、店主に届けた。おにぎりを届けた秋山柚希さんによると「お墨付きをもらえた」という。
児童発案で販売
元日に能登半島地震が発生。報道で現地の被害状況を知った児童から「被災地のために何かしたい」と提案があり、おにぎりの販売と売上金の寄付を決めた。そこで、6年1組の教室を「まん○2号店」として2日間開放。地域住民や保護者に梅と昆布、2種類各150円のおにぎりを約270個販売し、同時に募金活動も行った。売上金3万9590円、募金1万2742円は日本赤十字社などを通じて被災地へ送られる。
「生きる力に」
販売を終え、大島凛子さんは「おにぎりを作りながら友達との絆が深まった」と話した。「来店」した保護者は「おにぎりを売るだけでなく、募金も行い、それが子どもたちの発案というのが素晴らしい」と評価。別の保護者は「石川県の出身者として本当にありがたい」と語った。
担任の徳田琳菜教諭は「地域の人とつながることを目的として始まったことが、誰かの役に立ちたいという気持ちにつながり、こうした形で実現した。この経験が児童の生きる力になっていくと思う」と話した。
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