浦舟町2丁目の市大校舎跡地に移転が予定されている南区総合庁舎の建設工事開始が早くても2年後になることが明らかになった。市は建設予定地を6月から2年間の期間限定で、民間に貸し出す準備を進めており、庁舎建設はその後になる。また、3月の東日本大震災を受け、花之木町の現庁舎の耐震工事が行われることも決定した。
市は今年度、南区庁舎移転整備事業に2534万円の予算を充て、事業の進め方の検討、調査を行っているが、工事開始や移転時期については明らかにしていない。予定地にあった旧市大浦舟校舎はすでに取り壊され、現在は更地になっている。
4月下旬、市はこの市有地を今年6月から2013年6月までの2年間、貸し出すことを発表し、5月20日まで応募を受け付けていた。実施要領によると、この土地の面積は約7661平方メートル。そのうち、使用できるのは約5340平方メートルで、これを月431万円で貸し出す。住宅などの堅固な建物は建てられず、仮設事務所やマンションなどのモデルルームは可能としている。
市財政局によると、すでに土地を借りたい希望者から応募があり、審査を経た上で、6月3日には貸出先を決定、15日から貸し出しが始まる予定。条件には「双方の協議により延長が可能な場合がある」とされており、移転準備作業が遅れれば、建設工事開始が2年後以降になる可能性もある。
南区役所では工事開始や移転時期について、依然として未定としている。
建設予定地付近のある住民は「更地のままだと、誰かが侵入したり、いたずらの可能性があるので、貸し出しでも工事が始まるのは歓迎」としながらも「本当は早く区庁舎に来てもらいたい」と話していた。
現庁舎は耐震補強へ
市は南区を含む5つの区庁舎で耐震補強を行うための調査を開始する。これは東日本大震災を受け、防災対策上重要となる庁舎の耐震性を改善しようというもの。5月補正予算で3700万円が計上された。
市民局では「補強は即効性のある応急的なもの。まず調査を行い、必要な工事を検討する」としている。
現在の庁舎は、耐震性に問題があるため、補強工事をして使用する案も考えられたが、庁舎内のレイアウトを頻繁に変更することや工事が長期間になることから断念し、移転が決定した経緯がある。そのため、今回の補強工事は小規模なものにとどまると予想される。
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