横浜市は9月以降、市立小・中学校7校を研究校として土曜日授業を試験的に行う。教員が児童、生徒と向き合う時間の確保や平日授業の過密緩和が狙い。2014年3月までを研究期間とし、土曜日を含めた年間の授業などの在り方を検討していく。
学習指導要領は小学校で昨年度から、中学校では今年度から改訂され、授業時間が増加。小学1、2年では、完全週5日制となった02年度と比べ2コマ増。月1、または2回土曜休みだった92年度と同数で、中学校やほかの学年でも02年度より1コマ増えている。
市教育委員会の担当者は「現状では、小学2年生から6時間授業の日もあり、低学年児童の授業への集中力維持などは課題」と話す。
市はこうした状況を受け昨年、教員、保護者などを対象に教育意識調査を行うとともに、有識者や学校関係者などで構成される「年間を通じた授業時間等の配分等の在り方検討会議」を実施し、土曜日の活用について検討。会議では6時間目の授業を土曜日に回すことで「児童の負担軽減になる」「教員が児童、生徒と向き合う時間が確保できる」といった意見が寄せられた。一方で「授業数が足りていれば無理に土曜日に行う必要はない」「教職員の負担軽減につながらない」といった慎重論も出ている。
市教委では、検討会による意見のまとめを受け、今年3月に審議を行い、土曜日の活用を含めた研究の実施を決定。学校、地域、家庭が連携するという週5日制の趣旨を踏まえた土曜日授業を行う学校を公募し、小学校5校、中学校2校を研究校とした。今年度は9月以降、2回以上、土曜日授業を行う。
家庭、地域と一体に
研究校の一つである磯子区の杉田小学校(岩崎良之校長)では、10月から1月まで月1回土曜日授業を行う。平日に行っていた授業参観や保護者参加行事を土曜日に実施することで、保護者が参加しやすい環境にするのが狙い。土曜日に回した授業時間を家庭訪問や保護者面談にあてるとともに、地域ボランティアを招いての講演も行う。岩崎校長は「親子で参加して頂くことで家庭での教育にもつなげられるのでは」と話す。
様子見の雰囲気も
研究校には南区内の小・中学校は含まれていない。ある中学校の校長は「ほかの学校の状況を見てみないと何とも言えない」と様子見の雰囲気もある。
市教育委員会では2014年度以降については成果と課題を踏まえ2013年度中に決定するとしている。
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