就学前の子どもと保護者の居場所となる地域子育て拠点「はぐはぐの樹(き)」が井土ヶ谷駅そばから弘明寺商店街内に移転して5月15日で1年が経過した。約1年間で延べ2万4千人が利用し、移転前を上回る水準であることが分かった。拠点側は「今後は子育て支援者を掘り起こしていきたい」という。
地域子育て拠点は、市が各区に1カ所整備している施設。子どもと保護者が遊べる交流スペースの提供や子育てに関する相談、情報提供を行う。区が運営事業者を募集し、委託している。
南区では2008年に井土ヶ谷駅そばのマルエツ隣りに「はぐはぐの樹」が開所した。運営は社会福祉法人久良岐母子福祉会が行っていたが、昨年3月末で契約切れとなり、同会と子育て支援活動を行うNPO法人さくらザウルスが応募。選考の結果、さくらザウルスが新しい運営事業者となった。それに伴い、場所が弘明寺商店街内のセブンイレブンの2階に変更となり、昨年5月15日からサービスを始めていた。
交流の場が評判
交流スペースは火曜日から土曜日までの週5日開所。横田美和子施設長によると、移転から今年3月31日までに216日間開所し、子ども1万2500人、大人1万1700人の約2万4千人が利用した。1日平均約112人で、前拠点の開所1年目の約90人を上回る。前拠点は4年間で延べ10万人が利用しており、それを超える状況だ。
子どもの利用のうち、0歳、1歳が65%を占める。大人は母親が94%で父親は4%だが、「イクメンブームもあり、父親も増えつつある」と横田施設長。地域別では大岡地区が14%で最も多く、別所、六ツ川と続く。昨年まで拠点があった井土ヶ谷と南太田からの利用は合わせて10%だった。
利用者からは「リラックスできる」「スタッフとじっくり話せる」と交流スペースを評価する声が多いという。前拠点から引き継いだ2千冊以上の絵本や木の玩具の評判も良いという。
拠点は人材育成を担う役割もあり、区内の子育て支援団体を集め、情報交換ができる場を設けた。横田施設長は「新しい人材の掘り起こしが課題」と母親の中から支援者を育てていきたいとしている。
拠点のある弘明寺商店街の事務局では「拠点を利用する母親の買い物が増えたという印象はない」というが、拠点と連携した企画も視野に入れているという。
南区こども家庭支援課は「この1年間、子育て支援者のスキルアップなど、人材育成の取り組みは特筆すべきもの」と高く評価する。
横田施設長は「人材を育成しながら団体同士のネットワークを作り、拠点の役割を果たしたい」と2年目の運営に意欲を見せる。
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