外国人の住民が多い寿東部連合町内会(武田勝会長)の地域防災拠点訓練が11月9日、南吉田小学校(藤本哲夫校長)の防災訓練と合同で行われた。同校は児童の4割近くが外国に関係しており、訓練では外国人専用の受付窓口を設け、日本語が分からない児童や保護者に対応した。
阪東橋駅から関内方向に広がる寿東部地区は、中華街で働く人の居住地になることが多く、中国人を中心に外国人が多い。南吉田小にも中国やフィリピン、ブラジルなどの子どもが多く通う。同校によると、全校児童604人のうち、約37%が両親のいずれかが外国籍で、日本語の指導が必要な児童は約100人いるという。
地震経験ない人も
2011年の東日本大震災では、地震に慣れていない外国人が同校に避難し、職員や住民が対応に追われた。これを受け、それまで別々に行っていた学校と地域防災拠点の訓練を同年から合同で開催している。
訓練は大地震が発生したと想定。同地区は、津波による浸水の可能性があり、児童と住民が屋上に避難。津波の心配がないことが確認されてから、児童は校庭に移動し、引き取りに来る保護者を待った。住民は防災拠点を開設し、避難者の受け入れ体制を整えた。
保護者が児童を引き取ると、住民が拠点の受付に誘導。外国人用の窓口に用意した中国語、韓国語、タイ語、フィリピン語などで書かれた用紙に住所や氏名を記入してもらった。窓口には、母国語と日本語の両方を話せる5人の児童が待機。韓国語やロシア語を使って通訳することもあった。
参加した中国人の女性は「中国で地震を経験したことがなく、学校の訓練もなかった」と話し、東日本大震災以降に少しずつ防災意識が出てきたという。
情報伝達が課題
南区は防災に限らず、ごみの分別法などの生活情報を日本語が分からない外国人にどのように伝えるかが課題になっている。同地区の武田会長は「外国人の保護者のネットワークを使い、防災拠点の存在を知ってもらえれば」という。災害対策を所管する区総務課は「市国際交流協会などの機関と連携し、情報伝達をスムーズにしたい」と話す。
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