南区総合庁舎の移転に伴う建設工事が1月6日から浦舟町2丁目の市大校舎跡地で始まった。工事期間は2年間。区庁舎に加え、消防署、公会堂が現在の花之木町3丁目から、南土木事務所が別所1丁目から移転し、2016年1月に新しい庁舎での業務が始まる。本格的な工事開始で、近隣住民や商店からは地域活性化に期待する声が聞かれる。
現在の庁舎が花之木町に完成したのは1974年。耐震性に問題があることや業務スペースが狭くなったことから、市は2005年、大岡2丁目の県立大岡高校跡地への移転方針を決めた。しかし、国や県と行った周辺道路の拡幅交渉が不調に終わり、方針を転換。09年12月、浦舟町2丁目の市大校舎跡地への移転を決めた。
校舎を壊し、更地にした土地は11年6月から民間業者に貸し出され、駐車場として13年11月まで利用されていた。
市や区はこの間、新庁舎に必要な施設や要望を市民に聞くアンケートを行ってきた。その声を踏まえ、「災害に強い安全・安心な総合庁舎」をコンセプトの中心に掲げる。新庁舎は地下1階・地上7階建て。区役所と公会堂、消防署、土木事務所が一体になっている。区役所・公会堂棟と消防署棟は免震構造になる。総延床面積は現庁舎の倍以上となる約2万8千平方メートル。
工事車両1日270台
工事はメーンとなる区役所・公会堂棟から開始し、3月上旬に消防署棟、12月に土木事務所棟の建設を始める。市の計画によると、3つの棟の工事が重なる15年3月はトラックなどの工事車両が1日270台出入りするとされている。車両は予定地西側と南側から出入りするが、消防署棟以降の工事では、交通量が多い北側道路(山下高砂線)も使う。その際、大型車両は反対車線を横断して工事現場に入ることもあるという。
工事開始に先立ち、12月に行われた近隣住民向けの説明会では、工事状況の公開を求める声などが出た。施工業者側は「相談室」を敷地内に設け、電話でも問い合わせに対応することを明らかにした。ほかにも、車両出入口への警備員の配置や周辺道路の清掃を積極的に行うなどの対策を講じるとした。また、施工業者が地元町内会に加入し、地域活動に参加する意向であることも伝えた。
近隣商店 活性化に期待
新庁舎付近の横浜橋通、三吉橋通り商店街は、移転を心待ちにしている。寿東部地区連合町内会長で三吉橋でメガネ店を営む武田勝さんは「庁舎が来ればこの地域は一気に変わる」と話す。新庁舎には食堂がないため、飲食店は区役所職員や庁舎利用者の来店への期待が大きい。説明会でも参加者から地元飲食店の利用を望む声が出た。
移転する現庁舎と土木事務所、中村消防出張所の跡地利用法は決まっていない。区は「跡地を利用した区内経済活性化を検討したい」というが、具体的な方法は明確になっていない。
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