南区が昨年11月に「読書活動推進目標」を策定してから間もなく1年が経過する。区役所、図書館、学校の連携強化や司書の配置により、図書館が学校に貸し出す本の冊数・件数が昨年に比べて増えるなど、成果が見え始めている。区は今後、図書施設をまとめた地図を作る予定で、読書の推進を図る。
推進目標は昨年3月に出された「横浜市民読書活動推進計画」に基づき、各区で策定。読書活動に関する具体的目標を定め、行政や学校、読書ボランティアなどが本に親しむための環境作りを進めようという取り組みだ。南区は昨年、読書活動に関する区民の意見・要望を募集。それを基に目標を定めた。
最初の取り組みとして市立小中学校、特別支援学校の校長が勧める「おすすめ本」を紹介する表を児童・生徒に配布した。3月には、市内唯一の夜間学級がある蒔田中学校に学級文庫を開設。外国籍の生徒が通うことから、日本語の昔話や辞書などが置かれた。
小学校に司書配置
今年度、5小学校に「学校司書」が配置され、区内全16校に司書がいる環境が整備された。
司書は図書館を活用した授業の支援や図書環境の整備などを行う。今年度から司書が配置された藤の木小学校の大橋恵子校長は、「司書が話題の本を並べた特集コーナーを設けるなど、児童の興味を深めている。図書館が子どもたちでいっぱいになった」と変化を喜ぶ。
児童・生徒が読みたい本が図書室にないなどの理由で、南図書館から学校に貸し出された本は今年4月から9月までの速報値で841冊。前年同時期の521冊から約1・6倍に増えた。依頼件数も約2・5倍の61件に増加した。
南図書館の土屋芳雄館長は「司書とのやり取りで学校とつながる機会が多くなった」と行政・学校の連携強化の成果を強調する。
施設間で情報共有
7月には区役所、図書館、学校の代表者による「読書活動推進連絡会」を開催。課題や今後の活動に関する情報共有が図られた。その中で区内17の図書施設などを紹介する地図の作成が決定。図書館以外に本を貸し出す地区センターやコミュニティハウスの存在が区民に十分浸透しておらず、図書施設を知ってもらおうと企画した。マップは永田中学校の図書委員を中心にイラスト制作が行われている。区役所地域振興課の担当者は、「今年度中の完成を目指す」と話し、今後も各所の連携を活かした取り組みを進め、区民に読書の推進を図る方針だ。
南区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|