横浜市は10月1日から、通院時にかかる小児医療費の助成を「小学1年生まで」から「小学3年生まで」に拡大した。保護者らから歓迎する声がある一方、依然、県内のほかの自治体と比べて助成範囲の水準が低いことから、さらなる助成を求める声も聞かれる。
小児医療費助成は、健康保険に加入する子どもが病気やけがで医療機関を受診した際に支払う保険診療の一部負担金を助成する制度。市では、10月からこれまでの小1までを小3までに拡大。これにより新たに約4万人が対象となった。
自治体間で格差
神奈川県内では、就学前までは県も一部補助しているが、小学校入学以降は各自治体が全額を負担する。対象年齢などは各自治体に任せられるため、内容にはばらつきがある。県内の市町村では、海老名市や大和市などは中学3年生まで、藤沢市や鎌倉市は小学6年生までを助成。政令市では川崎市は小学2年生だが、相模原市は今年4月から小学6年生までに拡大した。
財政状況がネック
市健康福祉局医療援助課の担当者は「県下の水準に合わせて、小学6年生までの引き上げは必要と考えている。しかし、市の財政上、今年度は小学3年生までが限界だった」と話す。同課によると、助成の経費は1学年ごとに約8億円かかるという。「一度上げたら、下げることは難しい。額面が大きいので今後の財政状況を考えて進めなければならないが、引き上げに向けた努力は今後も続けていく」と説明する。
充実の必要性認める
市は1995年に0歳児を対象に助成を開始。徐々に対象年齢を拡大してきたが、2012年に小学1年生までに拡大してからは、動きは見られなかった。
青葉区に住む小学2年生の子どもを持つ母親は今回の拡大に対し、「とても助かる」と評する一方、「横浜市は助成期間が短いと思っていた。ほかの自治体のように中学3年生までにしてほしい」と訴えた。
同担当者は「県内で差がついてしまい、市民からも多くの要望をいただいている。対象年齢の拡大や所得制限の撤廃は、市の子育て支援施策の一つとして、必要性がある」と話した。
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